【お題フェス11】手……触手! 触手と言えばアイツ!! ケアル!!

Shiromfly

宇宙船ビーグル号の冒険「ケアル(クァール)」

 私が最初に読んだSF小説は「宇宙船ビーグル号の冒険」です。


 ビーグル号の冒険はヴォークトによるSF小説の金字塔であり……みたいな話は割愛します。ここで語りたいのは、オムニバスの一篇に登場するヴィラン、『ケアル(クァール)』についてであります。


 クァールと言えば、ゲーム『ファイナルファンタジー』シリーズの敵役としてご存じの方もいらっしゃるでしょう。しかしここでは、当時の訳による『ケアル』で押し通そうと思います――



 まあ、要するに『触手を持ったでけえネコ』ですよ。


 簡単に言うと、『吸盤付きの触手で人間の頭をカチ割ってそのイド(細胞)を貪り食う』という宇宙生物です。


 それで、そこそこ知能があるので主人公たちを演技で騙し、『保護』されることで宇宙船ビーグル号に乗り込み、乗組員たちを襲う機会を伺う――というストーリーなのですが。


 

 とにかくその様子がおっかしくておかしくて。


 ケアルの内面描写がやたら細かいんですよね。


 どうやらその星ではペット扱いだったらしく、そして本人(?)も猫のつもりで居るらしく、人間を騙してやったニャン! みたいなマインドで居るんですよこいつ。


 しかし外見はどう見てもモンスターなので人間たちは「うわぁ……」とドン引き。

 しかしケアルは気付いてない。ただ『人類が初めて遭遇した地球外生命体』としてしか見られてないってのに。


 文字通り『猫をかぶる』ことで、しばらくは人間も襲わずに我慢をしてるのですが。その食性に感づいた科学者たちが、偽の人工細胞を皿に盛って与えるんですね。


 その意図を察したケアルは、

「ふっ、そんなマズそうな偽物には騙されないニャンよ」

 みたいに気取るんですよ。最初は。


 だけどね、飢餓には耐えられず、

 人工細胞に反応した触手がブルッブル震えるんですよ。


 くやしい……でも感じちゃう! ですよマジで。多分元ネタです。(嘘)



 そのせいで、科学者(主人公)たちに、

「やっべえやっぱこいつ人間食う奴じゃん!!」ってあっさりバレちゃう。


 そしたらね、

「やっべバレた! ちくしょう、こうなったら……毒食わば皿までよ!!」

 などと言って(本当にこう言ってる)、偽の細胞を一気食い。

 しかしそれもクッソ不味かったので。


「まっっっっず!!」って感じで盛大に吹き散らかして、それでまたブチギレ。


 その勢いで脱走したケアルによって、

 宇宙船ビーグル号は、獲物を狙うモンスターの狩場となる――


 っていう話なんですけど、僕はもう、この一連のくだりが本当に好きで好きで。


 ここまで喜怒哀楽が短時間に一気に噴出する『悪役』は滅多に居ないっすよ。


 そんな感じで。

 『手』というか触手……にまつわる思い出話でした。おそまつ。

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