・冒険の書 ーあるいは版外ー

The Book of Save

–– Extra Story ––



––バタン!––

突然、扉が開かれた!


いきなり勇者ブレイブが乱入し、本を指差しこう言った。

「それは私の冒険の書だ!」


王様キングの王冠がずれた。

「……誰だ?」


大臣ミニスターは、メガネをずり上げ目を丸くした。

「……どちらさま……?」


騎士団長ナイトリーダーは、剣の柄に手をかけた。

「む、無礼者!名を名乗れ!」


お妃様クイーンは、びっくりして扇子を落とした。

「ヒエェぇ!?」


メイド長ヘッドメイドは、無表情に考えた。

「え、ちょっとないわー。」


老臣オールドリテーナーは、首を傾げた。

「門番はどうしたんじゃ?」


司教ビショップは、十字を切ってこう言った。

「神は新たな試練をお与えになった……。」


まだ年若い姫君プリンセスは、無邪気に首を傾げた。

「司教さまがそう言うのなら……。ええと、大変なのかしら?」


賢き王子プリンスは言った。

「ばーぶー。」


(まだ居た先王クソジジイ亡霊ゴーストは、無音のままに大爆笑。)


勇者は本を奪い去り、それらを尻目に「さらば」と窓から逃げ出した。


後に残った観衆オーディエンスは、ただ呆然と見送った。


………


天井裏の盗賊バーグラーは、今日は厄日と天を仰いだ。




––––––



––城外あるいは場外––


勇者はマントを脱ぎ捨てて。

白紙の本まで投げ捨てて。

道化の顔でただニヤリ。


それは、広場の神像アイドルに––

 ––よく似た皮肉ニヒルな笑みだった。






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後書き

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