白紙の物語

バート

・白紙の物語

The Blank Book Story


-とある宮殿-


王様の御前に一人の男が現れた。


世界を旅し魔法に触れたと自ら騙る––––

––––まるで道化師。


道化師ジェスターは本を差し出しこう言った。

「王様、これは世界で最高の物語ですが、バカには読む事ができない魔法の本です。」


––––道化師は、優雅に一礼––––


王様キングはニヤリとしながらこう言った。

「ほう?そうか。では、読んで聞かせよ。」


––––道化師は、首を上げずにわずかに下がる––––


それを見た大臣ミニスターは、本を持ち上げこう言った。

「私ならきっと読めますよ。」


––––道化師は、わずかに目を向けニヤリと笑う––––


騎士団長ナイトリーダーは、それを眺めてこう言った。

「私には多分読めませんな!はっはっは!」


お妃様クイーンは、扇子で口元を隠しながらイジワルそうにこう言った。

「メイド長、あなたなら読めるのではなくて?」


メイド長ヘッドメイドは、真顔のままでこう言った。

「え。パスで……。」


––––道化師思う。なんかちょーっとマズいかな––––


老臣オールドリテーナーは、近づきながらこう言った。

「うーむ。近頃は老眼でタイトルも読めんのう。司教はどうじゃ?」


司教ビショップは、本を見もせずこう言った。

「神は試練をお与えになった……。」


まだ年若い姫君プリンセスは、無邪気な笑顔でこう言った。

「司教さまがそう言うならきっと難しいんですわね!」


賢き王子プリンスは、こう言った。

「ばぶばぶー」


(見ていた先王ジジイ亡霊ゴーストは、王冠片手に声なく嘲笑った。)


––––いつのまにやら道化師は、魔法のように姿を消した––––


天井裏の盗賊バーグラーは、どうしたものかと顔をしかめた。


––––––––


ps:おや、何やら部屋の外から足音が……?





------------

後書き

2話完結となっております。

短いので、是非ご覧ください。

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