第8章 未来への一歩
第8章 未来への一歩
秋の風が窓から優しく差し込む朝。
庭の落ち葉が舞い、季節の移ろいを告げていた。
美咲はリビングで紅茶を淹れながら、ふとこれまでの日々を振り返る。
理想の夫婦に見られた二人。しかし、実際は小さな衝突や摩擦が何度もあった。
隆一の発達障害による感覚や認知の違い、些細なずれ、誤解――
それらを理解し、工夫し、乗り越える過程で、二人の絆は深まった。
「隆一、今日はどこに行こうか」
リビングに入ってきた隆一は、笑顔で尋ねる。
美咲は微笑みながら答える。
「外の目は気にせず、私たちのペースで行こう。公園でもいいし、散歩でもいい」
隆一は頷き、手を差し伸べる。
「うん、君と一緒ならどこでも楽しい」
二人は手をつなぎ、秋の街をゆっくり歩く。
周囲の評価や期待に惑わされず、自分たちのやり方で歩む日々――
それこそが、二人にとっての本当の幸せだった。
帰宅後、リビングでのんびりと過ごす時間。
美咲は心の中で静かに呟く。
「完璧じゃなくてもいい。支え合い、理解し合える関係が一番大切」
隆一もその思いに同意するように、微笑む。
「これからも、ずっと一緒に歩いていこう」
二人は未来を恐れず、互いに支え合う道を選んだ。
外の評価や理想像は変わっても、二人の絆は揺るがない。
夜、窓の外に広がる星空を眺めながら、美咲は手を握る隆一の手に力を込める。
「私たちなら、どんな試練も乗り越えられるね」
「うん、これからも一緒に」
理想の夫婦に訪れた試練は、二人を成熟させた。
理解と工夫、支え合う日常の積み重ねが、確かな絆となり、二人は新たな未来への一歩を踏み出したのだった。
発達障害の夫 真田直樹 @yukimura1966
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