第7章 絆の再確認
第7章 絆の再確認
梅雨の晴れ間、空には淡い青が広がっていた。
美咲はリビングの窓から外を眺め、朝の光に照らされる庭の緑に心を和ませていた。
家の中には静かな時間が流れており、昨日までの小さなずれや摩擦は、まるで遠い過去のことのように感じられる。
「隆一、今日は一緒に庭の花を植え替えようか」
美咲の声に、隆一は微笑みながら頷く。
「うん、いいね。君と一緒にやると楽しい」
二人の手が土に触れるたび、自然と会話が生まれる。
• 今日はどんな仕事があったか
• 明日は何を作るか
• 小さな嬉しい出来事の共有
かつては些細なことで衝突していた二人だが、今では互いの思考や感情の違いを受け入れながら話すことができる。
隆一の発達障害による特性も、もはや「障害」ではなく、互いに理解し支え合うための一つの個性となっていた。
午後、カフェで二人きりの時間を過ごす。
美咲はカップを手に取り、静かに言った。
「私たち、少しずつだけど成長したね」
隆一も笑顔で頷く。
「うん、君のおかげだよ。僕だけじゃ、こんなにうまくやれなかった」
その言葉に、美咲の胸に暖かいものが広がる。
「支え合うって、こういうことなんだね」
夕方、帰宅した二人は手を取り合い、リビングのソファに座る。
「完璧じゃなくてもいい。お互いを理解し、尊重できる関係が一番大切なんだ」美咲がつぶやくと、隆一も静かに頷く。
「これからも、ずっと一緒に歩んでいこう」
理想的な夫婦像は、外から見れば華やかで完璧かもしれない。
しかし、本当の絆は、困難を乗り越えた経験と、互いを思いやる日常の積み重ねの中にある。
夜、寝室で手をつなぎながら二人は目を閉じる。
外の世界の評価や理想像ではなく、二人だけの「支え合う幸せ」を胸に抱きながら、静かに眠りにつく。
試練を経て、互いの理解と信頼を再確認した瞬間――
それこそが、真の絆の証だった。
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