第8話 スマホとWifi
一本道をひた走る。
私は門を見たとき、嫌な予感がした。閉じてない?あの門。
近づいてみてもやはり門は閉まっている。
その時、先ほど地面に埋められた大きいのの叫び声と走る音が聞こえる。
「ヴォオオオオオオオオ」
ダダダダッ
「あいつ頑丈やなぁ。復活早すぎやわ。」
「さっきは開いてたのに!たしか内開きの門だったよね」
「んー、そう!内開きだった!」
「ほな、門を開けるの任せた。俺はもう1回あいつを止めてくる!1回も2回も同じじゃ!」
「あっ、ちょっ!」
静止も聞かず、角刈りの友は少し嬉しそうな表情を浮かべて駆け出していった。
眼鏡の友と私は門に辿り着く。背後の音はもう気にしないことにした。
「ねえ、これどうやって開けるの?内開きで、こっち側に持ち手が無いんだけど?」
「んー、ないねえ・・・」
「門から離れろ!」
角刈りの友が叫ぶ。
振り向くと大きいのがこっちに向かって飛んでくる。え?
大きいのが体勢を整えたことで軌道が変わり私たちへの直撃は免れたようだが、木片が遅れて飛んでくる。
やばい、見えるけど避けられない!
とっさに前に出したカバンとクロスした両腕でなんとか!と思ったが、ゴッという音と共に衝撃が伝わり私は仰向けに倒れていた。
いや、倒れてるのは眼鏡の友が私の体を引いてくれたからか。
眼鏡の友、サンキュー。
大きいのは門の屋根へ、門の屋根から建物の屋根へと飛び移り、角刈りの友めがけて突っ込んでいく。
「あれ?私たちを狙わないの?なんで?」
私は起き上がり疑問を口にする。体はあちこち痛い。が気にしてはいられない。
「それもそうだけど・・・んー、門に傷が一つもついてないね」
そんな馬鹿なと門を見る。確かに門に傷がついていない。あの勢いであの巨体が足場にしたのに。
同じことをした道の両脇の建物は破壊痕がある。
「これ・・・門が無傷って、もしかして私たちの力じゃ開かないんじゃない?」
「んー、かもしれないね」
絶望からなのか、眼鏡の友からは気の抜けた返事しか返ってこない。
ここで死ぬの?嫌だ!
「角刈りの友!門が開かない!」
「まじか!ここでもうあかんねや!おまえスマホ持ってるか?」
「持ってる!」
「つながるWifiを探せ!位相のずれたこの世界から元の世界へつながる電波を探すんや!そしたら・・・よく知らんがお迎えが来る!」
「わかんないけど、わかった!」
カバンをまさぐりスマホを取り出す。が、先ほどの衝撃をもろに受けたのか画面が割れている。
なんど電源ボタンを押しても反応はない。
「スマホ壊れてた!」
「なんやて!!あ、いや、お前もう1つスマホ持ってなかったっけ?社用のやつ。」
「あっ!」
思い出して、ズボンのポケットをまさぐる。
「あった!」
なおも大きいのと激しく動き回りながらも返答する角刈りの友って本当にヒト?と思いつつ、そっと心の中にしまい込んだ。
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