第6話 知っている角刈り

難なく道の奥まで来てしまった。来れてしまった。

注意を払ってここまで来たが、私たち以外動くものは見つけられなかった。

いなかったのだ・・・つまり、この中で眼鏡の友が見たという大きなヒト型と相対する可能性が高い。


途中、武器になりそうなものもなかった。戦うという選択肢は考えたくないが、安心材料すらない。

逃げるにしても1本道。仮に社殿の中に角刈りの友がいても意識が無い場合、担いでいかなければならない。

逃げ切れるのか?もう帰りたい。帰る方法わからないけど。

あああ、流れのまま来てしまったが、どうすればいいのか案すら出ない。


それに加えていうならば眼鏡友の様子がおかしい。本人・・・だよな?

仮に問い詰めても何を言ってるんだといわれるだけだろうが、挙動が、言動が、ちょっとしたところに違和感を覚える。

それに緊張してると言われてしまえば、私もそうなのだろう。ここに来てのいさかいはデメリットしかない。

私の考えすぎなのかもしれないが、一度感じた違和感は簡単に拭い去れない。でも、どうすればいいのか答えは出ない。

考えるのはもうやめよう。


「んー、結局なにも起きなかったし、なにもなかったな」

眼鏡の友はつぶやき、そしてさらに問いかける。

「さあ、どっちが中に入って確かめる?」


眼鏡の友は非力だ。私と大差ない。

「じゃんけんで決めようか。」

「んー、じゃあ、そうし・・・」

そこまで言った刹那


「うおらっしゃぁぁぁ!!」

バガッ!!


真正面の木製引き戸を突き破って、なにかが飛び出てきた。


「「角刈りの友!」」

眼鏡の友と私は転がりでてきたナニカを見て叫ぶ。


「お?なんやここまできとったんか、ちょうどええ。逃げるで!あ、その前にスマホ持ってるか?」

「持ってるけど」

「ほんならええ、とりまここは俺に任せて先行きや!」

角刈りの友は私を背にする位置まで移動しつつも、大きな影が見える建物の入口から視線を外さない。


「逃げるってどこへ?」

「アホ!道なんか1本しかないやろ、ごちゃごちゃ考えとらんと走らんかい!」

「んー、おまえはどうするんだ?」

「俺は此処であいつを止める。すぐ追いかけるから、はよ先に行かんかい!」

「んー、わかった。追いかけて来いよ!」

「まかしとけ!」


眼鏡の友と私は走り出した。

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