Selfish Lifetime

Slumber Party

evolve

 私の直感は当たる。もちろん外すこともある。今の私には、ある直感が働いている。


 衣食住と仕事以外の私の生活は、基本的に自己満足で成立している。元々、お金が介在しない所で何かをやる方が得意だし、楽しめるし、好きだ。お金を介在させてしまうと、それは仕事と同じように責任感が生じる。他者からの評価を気にせず、完全な自己満足で完結できるところで、私は自分の持ち味を発揮しやすい。


 文章もそうだ。文章の書き方もわからなければ、形式的なことも知らない。だからこそ、自己満足の範疇なら好きにやってもいいだろうと開き直り、密かに、マイペースに何かを書き綴ってきた。


 作家になりたいという知人がいる。私よりも熱心にその野望を抱いている。私は、「なれたらラッキー」としか思っていない。作家で生計を立てなくても生活はできているし、そもそも好きなことを仕事にできるタイプではない。しかし、知人は違った。作家になりたくて、生活の隙間で文章を書き続けている。彼の文章を書く原動力は、作家という肩書きを得て、それで生活をしたいというものだった。


 あるとき、私が密かに抱いている「面白いものが作れる」という根拠のない謎の自信が、果たして自惚れなのか本物なのかを知りたくなった。そして、どうやったら自信の裏付けが取れるのか、その方法を模索し始めた。


 私は、とりあえず書くことに決めた。小説は閃きがないと書けないし、そうそう閃くことがない。なので、戯言を書き続けていく。そして、それを積極的に公開し続けることにした。書き続け、たとえゴミだろうと陽の目を浴びれば、何か答えが出てくるかもしれない。そう思った。直感が外れたら、また密かに続けてもいいし、気持ちが冷めてしまったら止めればいい。


 今日も彼は、仕事から帰り、家事を済ませ、就寝前の少しの時間をパソコンの前に座って、物語を書き綴っているのだろう。私も、こたつに潜り込んでスマートフォンをいじりながら、戯言を書いている。作家になりたいという明確な目標を持った彼の物語は、いつか誰かを動かすのだろう。私の戯言は、まだ自分を動かすだけで精一杯だ。



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