発見
上原は磯田の掘っていた穴の所へ向かった。
磯田の掘った穴は綺麗に埋め戻されていた。
「なんだ、あいつは何をしていたんだ」
上原は震える指で、塞がれた穴を掘り返す。
何かが埋まっていると信じて、スコップ代わりの金属片や木を使って土を掘り続けた。
それは4日間に及ぶ作業となった。
そしてその日、ついに一つの石が現れた。
20センチほどだろうか。その表面には、こう記されていた。
「いつの日か、誰かがこれを読むのを信じて。もしタイムマシーンというものが完成するのならば、まずはこの場所に現れてほしい。きっと私は力になれる。2028年9月19日、23時00分――」
上原は息を呑み、座り込んだ。
この書かれた時間は磯田があの不思議な連中に連れて行かれた日だ。
「まさか、……本当に未来でタイムマシーン完成し、この石を発見した人達がここへ来たということか。それで磯田を助けた……」
確かに、自分の目で見た。未来の乗り物、人々、そして磯田。その瞬間、上原の中に一つの悪魔のささやきがよぎる。
「もしこの石の日付を29日に書き換えれば、19日の事が消えて、そして俺がその日に……」
寂れたナイフのようなもので石に刻もうとしたその時だった。
背後から声がした。
「そんなことだろうと思っていたよ」
そこには、飛び去ったはずの磯田がいた。未来人の服を着て、まるで予測していたように。
「な、なんだ……どうやって……」
磯田は黙って銃のような装置を構え、引き金を引いた。
上原の心臓に衝撃が走る。
そして閃光と共に上原は地に崩れ落ちた。
磯田は何事もなかったかのようにその場を後にした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます