目撃

淡々と生き延びる日々。

上原は乾いた手帳を取り出してバリバリゆっくり紙をめくった。

昔から何でもメモをとる癖のある上原はこの無人島での生活を日々書き込んでいた。

過去に残していた文字は滲んでいてもう読めないが、不思議と1ページだけ文字がはっきり読めるところがあった。しかし事故のショックなのか、そのページに書かれていた文の意図は思い出せなかった。

ある日、ふと磯田の姿を見つけた。

あいつもどうにか生きているようだ。いったいどうやって暮らしているんだ……。

上原はこっそりと磯田の後を追ってみた。

暫く森へ分け入ると少し広い茂みが急に現れた。そして端には地層の跡が入った目立つ巨石があった。

その近くで上原は奇妙な光景を目にする。

磯田が地面を掘っていた。

静かに、しかし狂ったように、無言で、延々と。


「……何をしてるんだ?」


ただただ無言で土を掘り続ける姿に、不可思議な気持ちに囚われた。

彼は気がおかしくなってしまった――

そう思い、その場を離れた。

数日後の夜、上原は空に奇妙な光を見た。あの場所――磯田が掘っていた場所から、青白い光が立ち昇っている。

「な、……なんだ」

好奇心と不安が交錯する中、上原はその光の元へと向かった。

そこには磯田がいた。そして彼の周囲には、奇妙で見た事のない服装をした数人の人物。そしてバスのような、金属で出来たような箱型の何か、があった。


「……何だ、これは……」


上原は無意識にその光景をメモしていた。

奇妙な箱の中に入っていく磯田と周りの人間達。磯田は乗り込む直前、こちらを見てニヤリと笑った。その顔はどこか勝ち誇った様な顔だった。彼らは箱の中に入った後、強烈な光を放ち、音もなく空へと飛び去った。

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