「第1000話」

英雄を讃える凱歌が反響し、滅びた悪を唾棄する怨嗟がこだまし、平和と安寧を享受する歓喜が知れ渡る。


その全てを背負って今も彼は生き続ける。生きるものに碑文は要らず、生きるが故に偶像とされず、生き続けるから終焉はない。だから『それ』は、救われた世界で永遠に語られない。


それは誰でもいい。それがこの世界の異端児であっても、異なる世界からの来訪者であっても、神に愛された存在でも、最後には物語の中でのみ完結して、誰でもよかったと語られる。


それの言葉、それの姿、それの名前……果たしてそれは、お前の目にどんな風に書かれていたか。




……




……




……




それこそがつまり「名前のない究極(ウルテマ)」だった。

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名前のない究極(ウルテマ) 黒羽 @kuroha_wadatsumi

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