第9話 母の死

乃愛が乃愛の母のもとに駆け寄る。

「お母様!大丈夫ですか?息できますか?」

乃愛の母は、生まれつき体が弱い。乃愛のことを産めたのも奇跡としか言いようがない。そのため、乃愛も体が弱い。

そこに乃愛の父が駆け寄ってくる。

楓華ふうか!大丈夫か!」

「私、もう、死ぬかも、しれません。」

乃愛の母が途切れながらも一生懸命に話す。

「いやだ!死なないで!!」

「……大好きですよ…二人とも………」


そういい、乃愛の母は深い眠りについた。

「いやだっ!いやだっ!お母様っ…!」

乃愛の目から涙がこぼれる。

乃愛の父は何も言えないままだった。

颯太が乃愛の背中をさすり、陽太が乃愛の手をぎゅっと握った。


お葬式が終わりいつもの生活に戻ろうとする乃愛。だが前よりもずっと顔が暗い。

「乃愛様、おはようございます。」

「おはよ…」

その一言だけで一日が終わることもある。


乃愛がいないところで二人は話す。

「奥様がお亡くなりになってから、乃愛様の様子がおかしいです。」

「陽太もそう思うか…あれはどう見てもおかしい。」

「旦那様にも相談してみますか?」

「迷惑が掛からない程度にしとくか…」

「旦那様も辛そうにしてますからね…」

二人は乃愛の父にこのことを相談した。その結果新しい、ペットを飼うことにした。動物と触れ合うと心もリフレッシュするだろうからとのこと。


「乃愛様。少しお話があるのですが…」

「なに?…」

「乃愛様、最近つかれてないか?」

「そんなことないよ…」

乃愛は笑ったつもりだったが、目は笑ってなかった。

「無理に笑顔にならくていいのですよ。辛かったら辛いってちゃんと言ってください。」

「俺たちが助けるからさ。」

乃愛の目から涙がこぼれる。

「ありがと…二人とも…」

「いえいえ、付き添い執事として当然のことです。」

「そして一つ提案なんだが…」

「旦那様と相談して、乃愛様の心をリフレッシュできることがないか探してみました。」

「それで、ペットを飼うっていうのはどうだ?」

「…!ペット?!飼いたい!」

「別荘を作って、そこでペットを飼うと旦那様が言っていましたよ!」

「ちゃんとお世話係も作るってさ!だから心配しなくていいとのことだ。」

「それに、それでも心がリフレッシュされなかったら、旅行すると言う方法もありますからね!」

「ありがとう!二人とも!」

乃愛はニコッと笑った。

「やっと見れました!その笑顔!」

「だな!」


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