第8話 熱②

「おはようございます。乃愛様。体調はどうですか?」

「おはよ、陽太。ちょっとまだだるいな…」

「ゆっくり休んでくださいね…」

陽太が乃愛の頬にキスをする。

乃愛は目を丸くして、顔が赤くなる。


乃愛の部屋のドアが静かに開く。

颯太が部屋に入ってくる。

「乃愛様。大丈夫ですか?って顔赤いぞ?陽太、何かしただろ?」

「何もしてませんけど?乃愛さまはわたくしのものですから。」

陽太が乃愛を抱き上げる。

「わっ!」

「乃愛様は物じゃないぞ!」

「…でも、私は二人のものになりたいな…」

陽太が目を輝かせる。

「はい!たくさん甘えていいですからね!乃愛様!」

「俺にも甘えろよ?」

「今日の夜はわたくしと過ごしましょうね!」

「いいや、俺だ!」

「そ、その時の気分かな…」

「その前に熱を下げないとだろ。」

陽太が体温計を手に取り、乃愛の熱を測る。

ピピピピピピッ

「37.8℃です!だいぶ下がりましたね!」

陽太がウキウキしているのが、なんとなく二人に伝わった。


乃愛の父が部屋に入ってくる。

「乃愛、体調はどうだ?」

「少しだるいですが心配しなくて大丈夫です。お父様。」

「そうか。無理するなよ。」

「わかっています。」

「仕事に戻るからな。」

「はい。お父様。」

そこに一人のメイドが慌てて部屋に入ってくる。

「大変です旦那様!奥様が倒れています!」

「っ?!すぐに行く!」

「お母さまが?!」

乃愛がベッドから出て、走って部屋を出ていく。

「「乃愛様!」」

二人は同時に言い、同時に部屋を出ていく。





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