第九話:消失点への回帰
視界が、
意識の輪郭が曖昧になる中で、私の脳は、先ほどまでいた
「
気がつくと、
スマホの画面が点灯し、「2026年1月18日」という無機質な数字を示す。
「帰って、きた?」
隣には、年老いた祖父・
「じいちゃん。
源蔵は、私が握りしめていたステッドラーの芯ホルダーが、四百年の年月を研磨剤にしたかのように激しく磨耗しているのを見て、すべてを悟り、私の肩を抱いた。
「お前も、引いたんじゃな。あの川の『線』を」
◎
源蔵は納屋に戻ると、一枚の古い設計図を広げた。それは
「見てみろ、湊。昭和の設計では、ここはもっと急激に曲げるはずじゃった。だが、工事を始めると、土の底から『意志』を持つ不思議な石積みの跡が出てきてな。その曲線が、あまりに理にかなっていて、当時の設計士たちは結局、その古の線をなぞることにしたんじゃ」
物質は風化し、土に還る。だが、私がステッドラーで刻み、半助おじさんが大地に写した「
私は、汚れを拭ったステッドラーをじっと見つめる。
指先にはまだ、
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