三章 それから

第11話 『クリーンホーム』

事故で両親を亡くした私は

宿禰市にある

『クリーンホーム』

という養護施設で育った。


施設に入所してすぐ、

私はいじめの標的になった。

原因は私がハーフだったからだ。

大人にしても子供にしても

人は自分と違う者を排除しようとする。

それは島国という風土が作り出した

この国の悪習かもしれない。


私が入所して3か月が過ぎたある日。

いじめっ子の1人が

下校中にある神社の階段から転落した。

命に別状はなかったが、

1週間の入院生活を余儀なくされた。

その3日前。

私は彼女の事故を予言していた。

私の予言が的中したことで

ある者は呪いだと言い

ある者は私が突き落としたと言って、

私を責めた。

さらに1週間後。

私を責めた者が下校中に車にはねられた。

信号待ちをしている時に、

ふいに道路に飛び出したのだ。

周りにいた他の子供達がそう証言をした。

彼も命には別状はなかったが、

1か月の入院生活を送る羽目になった。

この前日にも

私は事故を予言していた。


この2つの件があってから、

私に対するいじめは終わった。

人は己の想像を超えるモノに対して

恐怖を抱く。

私をいじめていた者達のうち

何人かは私の前に跪いて許しを請うた。

畏怖が崇拝へと昇華するのに

時間はかからなかった。

いつの間にか。

私は信仰の対象として、

崇められるようになっていた。

私は若干の居心地の悪さと共に

平穏な生活を手に入れたのだ。

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