第2話: 漆黒の森と女神の再会1
異世界、エルドリア大陸の辺境地帯。
そこは『漆黒の森』と恐れられる、闇に覆われた禁断の領域だった。
森の木々は黒くねじれた幹を持ち、葉は陽光を拒絶するように密集し、地面は腐った落ち葉と湿った土で覆われていた。
空気は重く、霧が常に立ち込め、視界を遮る。
遠くから獣の咆哮や不気味なざわめきが聞こえ、魔物の気配が濃厚に漂っていた。
この森は古くから伝説の地として知られ、強力な魔物が生息し、冒険者でさえ近づかない場所だった。
森の奥深くでは、古代の呪いが残り、迷い込んだ者は二度と帰ってこないという噂が絶えなかった。
エルは転生の金色の光に包まれ、森の入口近くの柔らかな苔の上に優しく着地した。体は生まれたばかりの赤ちゃんのままで、手足をばたつかせることが精一杯だったが、頭の中はクリアで、大人並みの思考ができていた。
「ここは… 異世界の森? 女神さんが言ってた漆黒の森かな。暗くて怖いよ… 周りが見えない。ママ… いや、女神さんはどこ? 一人じゃ動けないよ。ふえぇ…」エルは心の中で不安を募らせ、周囲の気配を感じ取ろうとした。
風が木々を揺らし、葉ずれの音が不気味に響く。遠くで鳥の鳴き声が聞こえたが、それは普通の鳥ではなく、魔物の擬態かもしれないと思った。
一方、アテナは少し離れた場所に転生した。
人間の体に変わった彼女は、地面に転がるように着地し、よろよろと立ち上がった。新しい体の感覚に戸惑い、足元を確かめた。
「うわっ、地面がこんなに固いなんて… 神の体じゃ浮遊してたのに、重力がきついわね。髪が絡まるし、服が擦れる感触も新鮮。ええと、エルはどこ? 転生の座標が少しずれたみたい。早く探さないと、この森は危険よ!」
アテナは周囲を見回し、残された魔法の力で気配を感知した。
霧の中、微かな赤ちゃんの気配が感じ取れた。「あそこね。森の入口近く… でも、魔物の気配も濃いわ。急がないと!」彼女は金髪を耳にかけて走り出したが、人間の体は意外に疲れやすく、息が上がった。
「ふうふう… 走るのってこんなに大変なの? でも、エルのためよ。がんばるわ!」
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