第3話 普通に嫌なんですけど
「な…何で王様がここに?」
「突如の訪問で申し訳ないが一つ長期の仕事を頼みたい……嫌そうな顔するね」
「い…いえ、そんなつもりじゃ…」
そんなつもりです。
今この人長期って言ったぞ。何年なんだ?魔獣討伐の遠征とかなら大丈夫なんだけど…。
「ヴァニッシュ、ここ最近の魔獣の動きが活発になっているのは知っているな?」
「は…はい」
良かったぁ、たぶん魔獣退治の話だ。これなら別に人と関わらなくてもいい!
「そこでだ。消滅の魔女よ。貴方にしか頼めない仕事を頼みたい」
ん?待てよ。と、ニアは引っかかりを見つける。ただの魔獣退治ならばそこにいるルーナを使えば良いはず。彼女も十賢聖の一人であるのだから。
わざわざ、十賢聖二人で魔獣討伐しに行くなんてオーバーキルだろ。であれば、なぜニアに頼みに来たのか?
「あ…あの。その仕事内容って…」
「学校に行ってもらう」
「へ?」
「魔法学園の中でも最大規模のヴァルハイト魔法学園に通って貰いたい」
「待ってください!」
「何か問題あったか?」
問題しかねぇ。
「な…何で私なんですか?ルーナさんでも──」
まず魔獣の活発化と登校の関係性が全くわからない。
「ごめん。普通に君しか学校に通える年齢の十賢聖がいないのだよ」
「あ…」
仕方ないと言うべきなのかどうか。
「だとしても何で学校に?」
「実はその学校に魔獣が活発化する原因の魔術師がいるらしくてね」
魔術師は魔法の不正利用。つまり魔法を使って悪事を働く犯罪者のことを指す。
「つ…つまり、私がヴァルハイトに潜入捜査をして、その魔術師を確保するってことですか?」
「そうだね。あと、儂の息子の護衛」
王様の息子…あれ?
「王子を!?」
「相変わらず面白い反応し続けるなヴァニッシュは」
ちょっと黙っててくれ。アンタもカラスくらいよく喋るやん。
「そう。つまり君に頼みたいのは魔術師の特定と第一王子の安全の保全だ。お願いしてもいいかな?」
「普通に嫌なんですけど」
「そうかそうか。快くお願いされてくれるのか」
「耳鼻科の受信をオススメします」
「なぜそんなに嫌がるのだ?」
「人の顔見てまともに話せない私が学校とか無理ですって」
言ってやったぞ。初めて王の依頼断ったけどこれは竜討伐よりも難しいのだから仕方ない。
「そうか…では、ここ周辺の地区に街を作るキャンペーンを予定通り進めるしか」
何それ聞いてない。ここに人来んの?それだけは絶対に無理。
「王様、が…学校に行きましゅぅ」
「そうかそうか。ありがとうね」
脅しはズルいよぉ。
ニア・ヴァニッシュ。転入決定!!
次の更新予定
2026年1月24日 19:00
アンチ・ウィッチ 甘袮ちはる @kazunoko0326
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。アンチ・ウィッチの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます