親友に足りないもの②
教室に戻ると、自分の席には既にもう一人の幼馴染みの北条春菜が座っていた。
春菜は小学校からの付き合いで、蓮とも同じく幼馴染み。三人でよく遊んでいた。
ポニーテールが似合う活発な女の子で、俺たちのツッコミ役みたいなポジションだ。背は小柄だが、整った顔立ちに大きな瞳、それに愛嬌のある笑顔で、クラスの男子からの人気も高い。
正直、春菜と蓮が付き合ってないのが不思議なくらいだ。美男美女の幼なじみって、もうそれだけで少女漫画の設定みたいなのに。
「遅いよ、隼人」
春菜が俺の席に座ったまま言う。
「え、何でお前がいんの?」
「別にいいでしょ」
春菜が怪しそうな目で俺を見る。
「さては……また蓮のために何かしてたでしょ」
ギクッ
俺の反応を見て、春菜はやれやれとため息をついた。
「図星の反応よね……あんたホントに好きだよね、そういうの」
そこへ、汗を拭きながら蓮が教室に入ってきた。
「おー、隼人、戻ったのか」
「お前もな。練習終わったの?」
「ああ、軽く蹴ってただけだから」
蓮は自分の席に向かいながら、俺と春菜を見て笑った。
「また春菜に説教されてたのか?」
「またって……俺そんなに叱られてる?」
俺がそう言うと、蓮は笑った。
「割とな。姉弟みたいな感じでな」
「俺たちってそんな風に見られてるのか……」
「ちょっと!私にも影響でてるじゃない!」
蓮は汗を拭きながら、隣の席に座った。
「そういえばさ」
俺は思い出したように聞いた。
「蓮の好きなタイプってどんな人?」
蓮は怪訝そうな顔をする。
「急にどうした?」
「いや、なんとなく気になってさ」
「お前、また何か企んでるだろ」
「企んでないって。ただ純粋に親友の好みを知りたいだけ」
横から春菜も加わる。
「私も気になるわね、それ」
蓮は少し考えて答えた。
「別に特別なこだわりはないけど……話してて楽しい子がいいかな」
「話してて楽しい、か。了解」
俺は頭の中でメモを取る。
春菜が呆れた声を出した。
「絶対また何か企んでるじゃん」
「人聞き悪いなー」
春菜は呆れた顔で俺を見ていたが、やがて小さく笑った。
「まあ、隼人らしいっちゃ隼人らしいけどね」
「だろ?」
「褒めてないから」
俺たちはいつも通りの掛け合いをしながら、午後の授業に臨んだ。
俺は幼馴染みの恋を成就させたいだけ! はるさめ14 @haruharu14
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。俺は幼馴染みの恋を成就させたいだけ!の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます