主人公不在!番外駄話

第8話 【番外】 幼馴染のはかりごと

皆さん、おはにちますだ!

もうご存じの方いらっしゃられると思います


私、地味奈 香(ちみな かおり)は不断野きゅんに

『キュン』しちゃっております


欧米風に言えば“Zing!” です

舌を噛みながらの「ズィングァハァ」です


親戚の女医さんに相談したら


「それ、2度は来ないから

 そのつもりで……私

 間違えないから」


彼女曰く大人になるとホルモンバランスが整って……じゃなくて

ホルモンバランスが整うから大人になるってらしいです


信じられなかったんで人生の大先輩(お母さん)にも聞いたんです


「香……恋とか愛っていうのはね

 お皿の上で踊るカツオ節よ!

 始めは勢いよく踊るんだけど湯気すったらしな~ってなるでしょ?

 例外なくよ、あとはわかるでしょ私たちのこと見てたら

 だから勉強して良い大学に入るわけ」

(※ここのBGMはレニクラのイーコチャン・ピー・ピーでお願いします)



……でもね……でもっ


お姉さん(※①)

お母さんたちは忘れてしまったお?

(※① 女医のおばさんリスペクト活用形 壱の型)


形容詞ク活用で必ず出てくるあの歌を!


「ひさかたの 光のどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらむ」

(※古今和歌集のどこぞのページより引用)



ラノベなのに前置き

かなり長めでつまみせん<m(__)m>


よく話が長すぎて結論から言えって言うのですが

まだまだ言い足りんのですが

つまり……「あきらめられっかつーの!」


というわけで不断野君の

朝のお散歩コースに

私、地味奈がオン・ザ・コース


街路樹付近にて状況開始!



――不断野はいつもの遠回りルートで登校している


「学校行きたくないな

 ぼーっとしていたい」


街路樹は銀杏が実り落ち、腐って異臭を放っていたが

不断野は意に介していないようだった


「銀杏ってさあ、

 土に埋めて実、腐らせて……種の中身食うよね

 どうでもいい知識なんだけど」


不断野は銀杏の木を見上げてつぶやいた


「にしても、ぼーっとしてるだけなのに

 どうしてこんなガラクタな知識ばかり

 沈殿してゆくんだモヘンジョダロ

 ちゃんと勉強しないとなのに

 どうして椅子に座ると頭に入ってこないんだろ?」


(不断野君――イン・サイト!

 朝の声がけプロトコル始動!

 カウント10…9…8……)


地味奈は偶然を装うかのように不断野の横にならび

あわゆくば手が触れ合ってからの


『あっ、なんだ不断野君じゃん

 おはようさんし!』


なんてベタな恋愛物語のセオリー踏み踏みの

イベントドリブンを決行しようとしていた


はずだった……はずだったのだが

地味奈のイマジナリを超えたところに不断野はいた

これこそが、不断野が

不断野たる所以なのだ


(3…2…1……不断野君、好き)


珍しく二人の脳内カウンターが

シンクロ率100%を超えた時

それは起きた


不断野の脳が突然に発火した


「あっ、ヤベっ遅刻ジャンか!

 駿馬俊足 6.5割」


バシュ!という音と共に不断野は街路樹から消えた


衝撃波はすさまじく地味奈は立ったまま後方へ飛ばされた


「なんの!みなみの!!」



今日の敗因を地味奈は後にこう語る

「銀杏? 関係ないわね

 着地で足くじいちゃっただけよ」


さすがに銀杏ISSUEのする服では登校できず

その日、地味奈は欠席届を提出したという



地味奈……お前……意外に青春してるぞ



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る