第4話 誰も悪くない僕らの2日間戦争
SNS投稿担当の雄太は
『やらかし』を出してしまったようだったが
本人は気づいてない様子
しかし学園全体を巻き込んだ論争に発展するとは
まだ誰も知らなかった
すべてはこの男から始まったことを
「不断野……なんでみんなお前のこと見てんの?」
「違うよ、雄太これ」
不断野は自分のスマホを見せた
「ああこれね、学園天国ってタイトルで
アップしたやつだよ?
へー、みんなこういうの見たがるんだ
次作もこれにしよう」
「あのね雄太君……音声よく聞いてみな
これヤバいよね?」
「ふんふん……ほうほう……えー
すごいねこれ泥沼恋愛モノじゃん」
「えっ?
そういうとらえかた?」
「大丈夫だよAI検閲かけてっから
固有名詞出てないし
解像低めで再コラされないよ」
「いやいやだめっそ」
「僕みたいなプロ目線だとAランネタ
三角・年の差・親バレありあり
ラーメンだと全部盛りで
税込1980円だって、ハイランだよ」
(それぜったい後ひく美味しさ案件だよ雄太)
不断野の予感は全体集会で的中した
「えー、残念ながら一部の生徒が
学校内で……いつも校長の話は長いって
みんな言うから今日は結論から
当分、学園内でのスマホ使用を
全面的に禁止する
大人に手間かけさせんなゴラァ!
話は終わり、全員教室に戻れ!!」
体育館に集められた生徒たちはざわついた
「え、全面戦争?」
「それって電源リローデッドも?」
「もはやデジドクだな」
「虚無僧かよ!!」
翌日、クラスのみんなは俺に詰め寄ってきた
「不断野くん、
雄太になんとかしてもらうように言ってよ」
「なんで!」
「だっていっつも一緒につるんでるじゃんか」
「それ誤爆だし、つるんでないし」
「とにかく学校内でスマホ使えないのやだ
不断野くんもイヤでしょ?」
(これ、イヤって言ったら
案件承諾コース、何か言い訳を……)
「最近、スマホ落としちゃって」
「へー、さっきメッセージ送ったら
ピロンって不断野くんのカバンから
音鳴ったんだけど」
(なんで女子ってこいういう時だけCIAなんだよ
もはや公安8.5課だろ!)
「表現のじ……」
「不断野……君?
おめー未だにヘアヌ論争
お持ち出しなのくわぁい?」
「はい、おおせのままに」
二日後の昼休み
雄太のアイコンは灰色……グレーアウトしてた
俺は学園内を探し回った
見つけた彼の背中が少し寂しそうだった
「雄太……あのな……みんながな」
「アカBANされた、俺の人生もろとも
不断野、友達でいてくれてありがとう
俺はリアルの荒野を彷徨うことにするよ」
「いや、まだ何も始まってないけど」
(でも、なんかお前カッコイイぞ
ガンバ大阪……じゃなくて雄太!)
学園関係者ならびに生徒全員が
雄太のアカウントに対して行った
『報告ブルートフォースアタック』が成功したことを
誰も知らない
知らない方が良い事もあるのだ……たぶん
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