第7話

「きひひひひ!君は、いや!すごい子が2人いるね!!気に入った!気に入ったよ!!きひひひひ!」

泣いてしまった栞に鈴がハンカチで拭っていたところに後ろから大声がして、

2人はビクッと驚いた。

拍手をして近づく人物は、なにもかもが異様だった。

白装束のツリ目の男。いや、男なのか・・・?

なにより、こんなに近づいてくるのに人の気配がなにもない。目で見えているのに、そこにはなにも居ないような不思議な感覚に襲われる。


「おっと!申し遅れました。凪くんは凪くんと申します!きひひひひ!」

・・・。なにも言えず、立ち尽くす2人。


「うーん、そうだな、凪くんのことは通行人Aと思ってくれて良いよ。・・・今はね。」


声がしても、そこにはなにもないと思ってしまう。目で見えても、そこにはなにもないと感じる。いや、存在を感じない。まるでこの男を認識する部分だけ脳が欠け落ちたかのような不思議な感覚に栞は襲われる。そして、栞はその異質さに恐怖した。


「それでは、またお会いしましょう。栞くん、鈴ちゃん。きひひひひ!」

言い終わると、風が逆向きに吹いた。

世界が逆方向に進んだような感覚に襲われる2人。


震えながら、栞は聞く。

「鈴ちゃん、あれも神さまなの?」

栞は、ただただ震え混乱するばかり。


鈴の肩がわずかに震えた。どこかで知っている“風”を感じたように。

「あの人が・・・凪・・・。」

やっと見つけたと言う顔の鈴。

がんばれ・・・鈴。あの方に、花ちゃんに言われたことを、今、ここで・・・。


ごくり、と鈴は決心し、叫んだ。

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