第4話
鈴が鳴り、風が吹く。
まただ、少し空間が歪むようなこの音。それなのに神聖なものを感じる音に、栞は恐怖した。
・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
「・・・。あれ?」
何も起きない。
思わず栞は、自分の体に変化はないか、周りに変わった様子はないか確かめたが、本当になにも起きていない。
「鈴・・・ちゃん。その、僕、どうなったの・・・?」
思わず栞は鈴に問いただす。
心を操るのに失敗したのか、はたまた、操られている時の記憶はなくなるのか。栞はこわくなった。
「うーん、心配しないで栞くん。操るのは失敗、というより、一番好きな人にはこの力使えないの。説明が難しいんだけど、そういう契約の力なの。」
栞が半信半疑な顔をしていると、鈴は訂正した。
「じゃーん!なんてね、神っていうのはウソ。鈴ちゃんは実はスーパーミラクル催眠術師なのでしたー。えっへん。」
・・・風が止まる。
神さまと荒唐無稽な言葉を言われるより、催眠術師だ、と言われたほうがまだ現実的だ。
それなのに、栞はその言葉をウソ臭く感じた。
あの違和感。透き通る鈴の音。そしてこの世のものではないという感覚。
それらをすべて思い返すと、栞は神さまだと信じるしかなかった。
「もー、そんなのどっちだっていいでしょ栞くん。それよりもわたしには、栞くんのお婿さんになってもらう方が重要だよ?」
どうして僕を婿にしたいかというそこも疑問だが、今悩むべきはどう考えてもそっちじゃない。
「それに、ほら。そろそろみんな解ける頃だよ?さいみんじゅつ。」
静かだった教室が、ざわざわとしはじめる。
まるで夢でも見てたかのように疑問を持つクラスメイトだったが、すぐに日常に戻っていった。
「ふふ、じゃあそろそろ2限の準備でもしようか?えーと、また教科書貸してね。栞くん。」
その時だった、日常に戻った後ろの方のクラスメイトがふざけ合い、棚の花瓶にぶつかって落ち、いよいよ割れるという瞬間に、また髪飾りの鈴の音が響いた。
・・・チリーン。
「花瓶が・・・止まった?」
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