第3話
じーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
見られてる。
栞は鈴に、ずっと熱い視線を注がれている。
その後の1限は、とても静かだった。
クラスメイトたちはとても真面目に、時計の音、先生が黒板に板書する音、シャーペンをノートに走らせる音、そして先生の声。いつもの授業中に無駄話をする生徒の姿はそこにはなく、模範的な教室だった。
そして、
じーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
見ている。
授業中、女教師がさすがに止めようとしたが、鈴はまた髪飾りの鈴をチリンチリンと鳴らし、まるで当たり前のように教師は気にしなくなった。そしてまた、栞の姿を眺める鈴。
その姿はまるで、テレビの幼児番組に釘付けの子供のようだった。
そのうちにチャイムが鳴った。
「はーい!授業を終わります。みんな、今日は真面目で偉かったわよ。」
女教師は、わたしの熱意が今日やっと伝わったのね。と嬉しそうに教室を後にした。
じーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
「天羽さん・・・。その、僕の顔になにかついてますか・・・?」
「やだなあ、鈴ちゃんって呼んでよ。
それに、愛するお婿さんの顔を眺めててなにかおかしい?」
これだ、
そもそもなんで僕なのか。なんで僕の名前を知っているのか。さっきのクラスメイトや先生を意のままに操ったのはなんなのか。本当に神なのか。
いや、神さまと言われても普通は信じられないのだが、それ以上の神としか信じるしかないことばかり起きて、栞はなにもわからないという顔をしていた。
「栞くん。どうしたの?考え事?」
「いや、天羽さ・・・鈴ちゃん、君はいったい・・・」
「わたしのこと考えてくれたの!?うれしーい!!!」
話がまったく噛み合っていない。
「その、本当に神さまなの?それにその鈴の音・・・いったいなんなの?」
「へへー、可愛いでしょー。」
やはり、話が噛み合わない。
「わたしは鈴ちゃん。地上に使わされた神さま。そして、栞くんをお婿さんにするためにこの学校へ来た可愛いお嫁さんなのです。そしてこの鈴は、みんなの心を意のままに操るミラクルパワーアイテムなのです!えっへん!」
日本語なのに、日本の文法で説明されているのに、なにもわからない。そして、無邪気に笑っているのに、神と名乗るこの子が、可愛いのに正体不明でこわい。なにか瞳の奥に隠している、異界の風を栞は感じ取っていた。
「いや・・・、わかんないけど・・・それに心が操れるなら、どうして僕のことも操らないのかなーって。そうしたらお婿さんにするとか自由自在じゃない?」
「え、試していいの?うーん、好きな人の心を操って愛されるより、わたしは栞くんに心から愛されたいんだけど・・・。」
しばし考える鈴。
「よし、口で説明するより見せたほうが早いね!栞くん!」
「えっ、ちょっと待って・・・」
心の準備が出来てないと言う前に、髪飾りの鈴の音がした。
チリンチリン・・・。
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