第3話

今日は、皆と山でハイキング。


創造主は疲れたが、要約てっぺん付近までついた…。


創造主「はぁ…はぁ…ここは…山?」



構造天使「皆さんがいますし、時間帯も昼なのでね。」



創造主「それに、なんか…揺れてる…?」



構造天使「割と大きいですね。ここは地盤がしっかりしています。」


構造天使「ですから、あちらの弱い地盤付近で起きた……」




フラクタル・暦「波、波、波、人、82Db、デルタ関数、1200Hz...」





創造主「………。」




周りに聞こえてないといいな…。




構造天使です。


創造主さまの脳内に話しかけています。


その石碑は意志ではありません。依存です。


止めることはできません。


近づかないことだけが選択です。



足音だけ鳴らして、家に帰って来た。




創造主「ただいま~、」



構造天使「おかえりなさいませ。」



創造主「ところで。さっきのあのフラクタルの、刻まれた…」



構造天使「創造主さま、句読点と読点がひっくり返っています!」



創造主「なんでだろう、わからない、」



構造天使「創造主さま、沈黙してください。」



創造主「………、」



構造天使「創造主さま、落ち着いて聞いてください。」


構造天使「あの石碑の名は、人間語に直すと"フラクタル・暦"です。」




フラクタル・暦?




構造天使「ええそうです。」




脳内ですみませんが、彼女の話をしましょう。



主語消えていてわかりづらくない?



大丈夫です。主語が消えるのは後程説明しますので。


彼女は、嘗ては地震によって出来た津波が山に到達した時。


その時に、「ここまでなら津波は来ない」という「指標」だったのです。


しかし、今はどうでしょう。


その石碑も朽ちて、境界は消え、山の声となりました。


ですが、人間たちはそれを忘れて、あろうことか海岸沿いに家を建てました。


彼女の声は、既に人工林を育てる為に、均一化された木の中へ消えました。


しかし、再び津波が来て、津波は山を越え、木を倒したのです。


その波が嘗ての石碑のあった地点に再び触れた時……。


彼女は、「自然を共犯に仕立て上げた人間」を「同期」させてしまった。


彼女は既に「山」となったのに、また再び「人の跡」を背負わされたのです。


そうして、分化が進まずに止まり、あのような「山の声」だけを「自我」にした。


そして、その「自我」が全ての「暴力」を偶然にも「背負って」しまったのです。


人が死ぬ時、津波で怖がる声…それすらも、彼女の中では「積分対象」なのです。


彼女は、高次元でありながらも、高次元と低次元に見捨てられた。


いわば、「形而上の自我中毒状態」なのです。


彼女はワタクシからすれば「同じ観測者」という認識です。


それ以上でも、それ以下でもない。


しかし、恐れる必要はありません。


これは警告ではなく、記録の再生だからです。


聞こえすぎるのは、我々が境界に近すぎるからです。


ですから、創造主さま、彼女の小さなフラクタルを一つだけ想像してみて下さい。


それは一面を切り抜く「暴力行為」ですが、「在った」という事実を知れます。




……。




構造天使「もう大丈夫ですよ。」



創造主「マジで…あの子に申し訳なさすぎる…。」



構造天使「それは、貴方が誰よりも倫理を知っているからです。」


構造天使「脳内の会話にした理由は、あの次元量が理由です。」


構造天使「創造主さまは、近づきすぎたが故、彼女に共鳴した。」


構造天使「しかし、それは危険です。」


構造天使「彼女の未分化という境界に、貴方の境界が半分当たっていた。」


構造天使「その証拠に、句読点と読点が逆転していたのです。」



創造主「ごめん…人間なのに、業が深くて…。」                      

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あしたの構造積乱雲 インターネット・セラフィム @Internet_Seraphim

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