レイブン

Zamta_Dall_yegna

レイブン

 秋、1人外にいた。今は就業中。行き詰まった空気から逃げるように、外を転がる木の葉の如く外に出ていた。


 朝、人気のない道路。わが物顔で進んでいく。行き先は決まっている。行きつけのコンビニだ。


 光、窓から差し込んで、薄暗い室内に白い道を作った。暇そうなコンビニバイトは、細く開いた目で遠くを見つめていた。


 1つ、飲み物を手に取る。ココアの入ったその缶は、僕の手に温もりを与えた。店内に客は他にいない。心地よい静けさに対して、缶の温度は高いくらいだった。


 1枚、札を出す。支払いを済ませて外に出る。まだ外に出て20分も経っていない。街灯の伸びた影を眺めて歩く。


 一羽、鳥が空を舞った。黒く大きな美しい鳥。しばらくすると、もう1羽が飛んできた。番のように吸い込まれるように、彼らは身を寄せ合った。


 空、2羽の鳥が舞っていく。高く高く飛んでいく。僕は孤独と身を寄せて、その様子を見守った。


 「ああ、レイブンか」


 手は、もう冷え切っていた。

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レイブン Zamta_Dall_yegna @Zamta_Dall_yegna

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