第3話

(おい、聞いてるのか?)

と言う声に、はっ!とする


「えっ!?」


目の前に彼が居る、職場に入った新しい女の子の話を困った顔で、でも少し嬉しそうに笑いながら話している。


新しい女の子が、仕事が全然できなくて 彼が付きっきりで教えているのだそうだ。


(えっ!この話って…。嘘でしょほんとにあの頃に戻ったていうの?)


「そういう訳で大変なんだよね。まぁでも頼られるのも先輩として男として、嬉しいもんだけどさ」


(そう、この彼が話してる女が後に私の彼を奪うのだ)


「そ、そうなのね。でも、あんまり優しくしないでよね!浮気なんてしたら絶対ゆるさないんだからっ!」


そんなわけないだろと 笑いながら言う彼の顔が、ほんの少し赤くなっていた。


彼と後輩女との仲を気にしていたが、以前の記憶を元に私は彼とのトラブルや、後輩女との仲が良くならないように上手く立ち回り。

彼とはうまくいっていた。


一緒に住むようになって。

喧嘩することだってあったけど、必ずその日のうちに仲直りしたし。

彼は写真を撮るのが好きだったから、

たくさんデートして、たくさん写真を撮ってたくさん思い出を作った。


「ちょっと散歩にでも行こうか」


「うんうん!いくっ!」


「ちょっと行った所の公園行ってみる?」


「いいね、ついでにプリン買って帰ろう」


「どっちがついでなの?」


「えぇっと、プリンだよ?」


「ほんとにぃー?」


「ほんとだよぉぉ…」


何でもない日の公園デート。

二人で手を繋いで写真を撮って、プリンを買って帰った。


何気無い毎日だけど、どの日も特別だった。

そんな特別な日々の中の一日に、彼は私に腕時計をプレゼントしてくれた。


「君に似合いそうな時計をみつけたから、買ってきたんだ」


「えっ!?嬉しいありがとう!」

私の好みど真ん中の黒いデジタル時計だ。


「着けてあげるよ」


「うん、ありがとう」


「結構しようか」


私に腕時計を着けながらサラッと言う彼のその言葉に、私は笑いが止まらなくなった。


「なんだよぉ、返事は?」


ちょっと拗ねた顔で口を尖らせる彼の顔が可愛くて、今度は涙が止まらなくなった。


「おいおい」


焦る彼に思いっきり抱きついて、私は彼に。


「一生一緒に幸せでいよう」


そう言った。


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