2回:1回でヒロインが登場しなかった件について謝罪します

まだ見ぬ読者諸君に謝らないといけないことがある。

表題の通りである。


その前に重大な報告がある。

以前書いたものに、赤い文字でハートマークが一つ、ついていた。


やはり、フィードバックは届くらしい。この1つは思っていたよりも嬉しいものだ。文字を書く手にも力が入る。


そんな読者様に対して、約束したからには、ヒロインを出さねばならないと思った。

ただ、私にはヒロインと呼べる人物はいなかった。


だが、安心してほしい

やっとの思いで、それっぽいのを見つけてきたので紹介しようと思う。

安心できるように、まず彼女たちの外見についてお伝えしよう。


週5で通っている居酒屋で出会った。出会ったのだ。

この居酒屋の、安くて美味い精神についてお伝えしたいところだが、

読者諸君との約束を守るべく、彼女たちについて報告しようと思う。


1人目は、今いるカウンターで3席ほどの隣で飲んでいる彼女である。

長い金髪で耳が長い、いわゆるエルフという種族であろう。

この世界の人間は大抵、美形だが、なかでもエルフは特別端正な顔をしているものが多い。例に漏れず彼女もそうであった。

肌も艶やかな一つのテクスチャのようだ。減点をつけるところは見当たらなかった。

彼女は、よだれを垂らして寝ていた。うめき声のような寝言をあげている。

ただ、彼女は美形であった。



2人目を紹介しよう。テンポよく紹介したい。

今、隣に座った女だ。2日前、昔見たドラマの話で盛り上がった。

そう、彼女も転生者なのだ。それから度々、近づいてくる。

髪の色は黒。目がくるみのように大きい。

くるみが大きいのかは知らないが、とにかくクリっと丸く大きい。

均整のとれた顔立ちながら、なんともあどけない感じがある。

大きく開く口も、あどけなさに拍車をかけている。

大きな口を開くたび、冒険しようと何やら危険なお誘いをしてくる。

その大きな口を見たくなくなって、2日目である。

ただ、彼女は美形であった。


気を取り直して、3人目を紹介したいと思う。

今、飲み物を運んできてくれた女性。

彼女は、どうやら先住民である。

それか、ロールプレイがとても上手な、イケてるガールである。

今度、ボードゲームに誘ってみようと思っている。人狼か、マダミスあたりがいいだろうか。

彼女は、週5で通っているものの大した支払いをしていない私にも、常に笑顔で接してくれる。この世界のお顔は左右対称が標準なのか、彼女も整ったお顔立ちである。

彼女を目当てに通い詰めている男は枚挙にいとまがないのではなかろうか。おっと、男だけと決めつけるのも失礼かも知れない。


ここで一つ言い訳をさせて欲しい。

大した支払いをしていないのはここに集いし一同の全員がそうなのだ、と思う。

とにかく、安くて美味いのである。


今、運ばれてきた、飲み物とフライドチキンもそうだ。

数年前に、異世界転生者から、もたらされたとされるビールと唐揚げだ。

先達の転生者たちには頭があがらない。是非ともウイスキーも、銘柄ごと引っ張ってきて欲しいものだ。


ビールと唐揚げの紹介に戻る。

ビールは、とても馴染みのある味だ。いわゆるラガー、さらにいうとピルスナーだ。日本人の魂を感じる。

ただ、喉越しやキレといった言葉で形容されるものと違う。苦味とコクが口いっぱいに広がる。しっかり味わってから嚥下する。

これをもたらした人は、サッポロ党なのかもしれない。いや、おそらくはYEBISU BEER TOWN住民なのだろう。ご近所さんだ。

麦汁のみで突き詰めたかのような、濃い味。マイルドながらアタック感もしっかりあるアルコール感。私を幸福の芯に引き込む。

唐揚げとの相性も抜群である。カラッと揚がったこの唐揚げ。ただの唐揚げではない。胡椒がしっかり効いたスパイシーな仕立てである。

余談ではあるが、この世界では、胡椒とは言わないらしい。これも転生者による恩恵とのことだ。

やはり、どこまでも先人たちには、感謝が尽きない。

胡椒の効いたスパイシーな唐揚げは、濃いビールにも負けず、双方の香ばしさが補完し合う。チープな言葉になるが、ハーモニーというやつだ。

そして、この組み合わせが、なんと1時間の単純労働でお釣りがくるくらいの価格で味わえるのだ。驚愕甚だしいことである。

私が、なぜこの居酒屋に週5で通っているのか、諸君にはお分かりいただけたであろうと思う。ということで、今回はここで筆を置かせていただく。


ほろ酔い気分で心地よいので言ってみるが、そろそろ星もいただけたら嬉しい所存である。冒頭、ハートがフィードバックされたことは、お伝えしたばかりである。

厚かましい願いではあるが、見たいものは見たいので、酔いの力を借りることとする。

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転生しても、『エッセイ・フィクション』というジャンルがカクヨムにない件 三崎 透亜 @misaki_toua

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