第二幕「鶴凰会」
「団子はまだかぁ……」
「あとちょっとよ。」
「先程もそう言っておったぞ……
それにしても、人里はいつ来ても慣れんの」
「へぇ、あんた人里来たことあるんだ。
まぁ、妖怪なんてそんな珍しくもないしねー」
「まぁの。
この城下町には毎年、神幸祭の折に来ておったのぉ
その時はもてはやされたものじゃ。」
「へぇ、妖怪にも、憧れて真似するとかあるのねー」
「憧れ?
真似?……」
「だってそれ、神様の真似でしょ?
その時期に神社から来てたし。
綺麗な神様だったなぁ……」
「真似じゃない!
それがわしじゃ!!」
「はいはい。
髪のヘビだけちょっと似てますねぇー
あんたのは白うんちだけど」
「あ!
また言ったな!!
訂正ーー」
「ついたわよー」
「むぅ。
ここは団子屋では無いではないか。
ここは。」
「ここはあたしんち。」
「ほ?」
「いったでしょ?
若頭って。
訳あって先代がいなくなったから、
今では、私がこの鶴凰会(かくおうかい)の若頭
まぁ、組の事はおじいちゃんにお願いしてるけどね」
「なんと!
お前さんが鶴凰会の若頭なのか。
それは落ちぶれるのも仕方なかろう……」
「あんた、失礼ね!」
「お互い様じゃ!
それに、わしは根に持つタイプじゃ」
「器が小さいこと。
てか、あんたうちの組知ってるの?」
「まぁ、やくざ者と祭事は切っても切れん縁があるからの。
毎年祭事の準備をお前さんのとこの若い衆が手伝うてくれとったわ」
「へぇ、そこまで神様の役に入れるとは大したものね。
結構ちゃんと調べてるのね。
もしかして芸人志望?」
「だから!
わしがその神!!」
ーーガチャ
「おーーーーーー!
そこに居るのは!
我が愛しき孫!!!」
「げっ!……」
「3日と14時間もおじいちゃんを
一人にしてどこに行っておったんじゃぁ!!!」
「ちょっと!!
おじいちゃん!!
スリスリしないで!!」
「すぅーはぁー
孫のいい匂いじゃぁ!!
孫臭じゃ!孫臭じゃ!」
「離せって言ってるでしょ!!!」
ーードカッ
「イテテ……
爺さんを殴るとは……
なんて凶暴な……誰に似たんじゃ……
ん?
このお隣の可愛らしいチンチクリンは何じゃ?」
「チンチクリン……
この失礼さ……遺伝じゃな。」
「もう!
後で紹介するから、家に上げてよ」
「おう、そうじゃな。
お風呂入るかの?
3日も外に出て入ってないじゃろ?
流石におじいちゃん補正でも臭いぞ。
臭孫じゃ。臭孫。」
「お前は棺桶に入るか?じじい。」
「それは困る。
ごめんなさい。
まぁ、その子とさっさと入ってきなさい。」
「はーい。
ほら、しろ行くよ」
「風呂か。
久しぶりじゃの」
ーーお風呂ーー
「ほぉー……」
「はぁー……」
「生き返るー……」
「生き返るのー……」
「二人とも、湯加減どうじゃ?」
「おう、良い湯加減じゃ……」
「それは良かった。」
「 なぜお主がそんなことしておるんじゃ?
火の番なぞ、若いのにやらせればよかろう」
「何じゃ。
紫乃、話しておらんのか?」
「んー。
ちょっと話したけど、
うち今ほとんど人いないのよー」
「何じゃ、ホントにそこまで没落したのか」
「まぁ、色々あってのぉ。
まぁ、そういうことはお団子でも食べながら話そうか」
「団子!団子があるのか!!」
「お座敷においてあるぞ。
後でお茶も入れるからゆっくり」
「団子!
早いものがちじゃ!!」
「あっ!
こら!しろ!!
待ちなさい!!」
「あっ!!!
わしの着物がない!!!
何故じゃ!!」
「あーすまん。
ちとボロボロじゃったからの。
後で洗って、繕ってやろうと思ってな
代わりに紫乃の着物をおいてあるからそれを着なさい」
「んー?どこじゃー?」
「あっ、えっとな。
よいしょ。
そこを…
ハッ!!
孫ちっパイ!!!」
ーーゴツッ
「何ノゾいてんだエロジジイ!!
あと、誰がちっパイだ!」
「イテテ……
そこの右の棚じゃ……
さて……わしはお茶でも用意するかの
紫乃も後で来なさい。」
「はーい」
ーー座敷ーー
「ふー。
いいお湯だったぁー
てか、団子めっちゃ食べてるし」
「まだいけるぞ!!
あと、30本は余裕じゃな」
「食べすぎでしょ。
着物、結構似合ってるじゃない。」
「まぁ、わしほどの美少女であれば、
何でも似合うからの。
ちと胸がきつい気がするがの」
「着物だから胸の大きさは関係ないわよー
気のせいでしょ。」
「いや、でも…」
「まだ言うか?」
「おー、揃ったの。
それじゃ、団子を食べながら自己紹介でもしようかの
わしはーー」
「まて、まずはワシから話させてもらう。
お主らのあまりにも不敬な態度を改めさせる意味でもな」
「不敬も何もあんた、ただの妖怪でしょ?
モノマネ芸人志望の」
「それじゃ!
その不敬な態度じゃ!」
「えー……
まぁ、いいわ。
どうぞ」
「オホンっ!
わしの名前はしろじゃ。
先週までそこの蛇神神社で祀られておった神じゃ!
元じゃが……」
「ていう設定でしょ?
モノマネの。」
「だから違うというに!!」
「じゃあなんか証拠見せなさいよ」
「良かろう。
お主、源一じゃろ?」
「えっ?
なんでおじいちゃんの名前知ってるの?」
「よく見ておったからの。
幼いときよく巫女の着替えを覗きに来ておったろ」
「ちょ、しろさん!……」
「おじいちゃん?」
「それだけでなく、
壊した灯籠の笠を使ってわしの入浴ーー」
「しろさん!……しろ様!!
紫乃。
この方は白蛇様本人じゃ。
間違いない。」
「おじいちゃん!?」
「まぁ、そういうことじゃ。
訳あって今はこんな姿じゃがの。」
「んー……
全然納得できないんだけど……
だって白蛇様は、こんな姿でしょ?
幼いときってこんなーー」
「紫乃!
蛇神様に失礼じゃぞ!!」
「じじい。
お前は一体どんな弱みを握られてるんだ。」
「しろちゃんの過去はわかったから。
今度はわしらの話をしようかの。
旅に同行してもらうには目的の説明が必要じゃろ?」
「うん……
そうね……
じゃあ、話すわね。
私の旅の目的とその理由」
和陰少女(わいんしょうじょ) KEMMY|けみー @kemmy02
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