第3章:NEMESIS計画
ダリアンは、鼓動を早めながら日記を読み進めた。
一語一語が、幾世紀にもわたる秘密と苦痛を背負っているかのようだった。
――
「今、私の過去を知った君に、グラン・パルティ国家が実際にどのように機能しているのかを説明しなければならない。
これから記す内容は、完全なる機密情報だ。
もしこれを所持したまま捕まれば……救いはない」
――
――
「本日、1915年9月8日現在、グラン・パルティは三つの根幹によって支えられている。
第一の柱は軍であり、二つの主要部門に分かれている。
一つは正規軍。冷酷かつ苛烈な軍人、ラウルフ・ネメロフ将軍の指揮下にある。
もう一つは革命親衛隊。指揮官はマルティン・オドウェル――かつての親友……いや、その成れの果てだ」
――
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「そのすべての頂点に立つのが、国家の絶対的支配者、ジークムント・カイザーである。
私は彼に直接会ったことはない。
だが、その存在は至るところにある。
彼は人間というより“影”だ。
存在しないという者もいる。
だが別の者は言う――
彼こそが、我々が生きるこの地獄の真の設計者だと」
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――
「第三の柱はエリート層だ。
実業家、銀行家、官僚……
彼らは自らの特権が守られる代償として、党を支えている。
彼らは第1地区に住み、搾取する民衆から遠く隔離されている」
――
ダリアンは唾を飲み込んだ。
読み進めるごとに、言葉の重みが増していく。
――
「だが、それだけではない。
もっと恐ろしいものが存在する」
――
――
「数年前から、党は極秘兵器の開発を進めている。
ヴェルガリスの南、およそ300キロに位置するヴァイスブルク近郊。
地下研究施設に隠された計画だ。
その名は――NEMESIS計画」
――
――
「私はその正体を完全には把握していない。
だが、私が目にした文書には、遺伝子工学、精神制御、さらには時間操作にまで言及があった。
すべてが真実かどうかは分からない……
だが、もし党がこの計画を完成させれば、
もはや誰も彼らに逆らうことはできなくなる」
――
――
「止めなければならない。
いかなる犠牲を払ってでも。
ペルミアの未来、アルビアの未来……
そしておそらく、世界そのものの未来が、それに懸かっている」
――
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