第15話 回復を早めるため、実践していること


この最終話は、気持ちの話よりも、できるだけ実践の話をします。

僕が「回復を早めるために」日々やっていることを、論理的に整理して書きます。


前提として大切なのは、うつ病は脳の病気であり、回復には

• 神経伝達物質の再調整

• 自律神経の安定

• 体内時計(概日リズム)の再建

• 神経回路(シナプス結合)の回復(神経可塑性)


こういった“脳の再構築”が必要だということです。


だから僕は、回復を早めるために、日々の行動をこう考えています。


脳が回復しやすい条件を、毎日少しずつ揃える。

逆に、脳が壊れやすい条件は減らす。


そのための実践を、順番に書きます。



1) 午前中の日光:体内時計を再起動する


僕が最優先しているのは、午前中の光です。


うつ病では睡眠が乱れたり、気分が日内変動(朝が特につらい等)したりします。

この土台にあるのが、体内時計のズレです。


だから僕は、「朝起きたら頑張る」より先に、

• 午前中に日光を浴びる


これをやります。


外に出られない日は、無理に外出しません。

その代わりに次。



2) ベランダの椅子で、ただ“ぼーっとする”


外に出られない日でも、できるだけ

• ベランダの椅子に座る

• ぼーっとする


をやります。


ポイントは「何かをする」じゃない。

“刺激を足さずに、光だけ入れる”。


スマホで情報を浴びるより、脳の疲労は明らかに少ない。

回復期の脳は、刺激が多いだけで消耗します。


だから僕は、

日光+無刺激をセットにしています。



3) 行ける日にストレッチ、できたら筋トレ


運動は大事です。

でも僕は「毎日やる」と決めません。


回復期で大事なのは、運動の継続よりも、まず

• 反動で崩れないこと

• “できた”を積み上げること


です。


だからルールはこう。

• 行ける日:ストレッチ

• 余力がある日:筋トレ(軽め)


運動は、気分や睡眠に効きます。

ただし、やりすぎると反動で落ちるので、僕は


「効かせる」より「壊さない」


を優先しています。



4) サウナ:自律神経を整える


僕にとってサウナは、嗜好品じゃなくて


自律神経を整える手段です。


温熱刺激で身体がゆるむと、緊張が落ちて、睡眠が入りやすい。

頭が“静かになる感覚”が出てきます。


ただしこれも同じで、

• 無理に行かない

• 行ける日に行く

• 行ったら「整う」より「疲れない」を優先


回復期は、良いことでもやりすぎると反動が来るので、そこだけ注意しています。



5) 公園の散歩:人・森林・日光・運動を同時に取る


散歩は、僕の回復の軸です。

でも散歩にも“設計”があります。


僕が行くのは、できるだけ

• 人がいる

• 森林がある

• 日光がある

• 歩ける


こういう公園。


理由は単純で、散歩1つで

• 日光(概日リズム)

• 有酸素運動(気分・睡眠)

• 自然刺激(ストレス低下)

• 人の気配(孤立の緩和)


をまとめて取れるからです。


ポイントは、


「運動しに行く」じゃなく「脳を回復させに行く」


この感覚。


距離も時間も短くていい。

“帰る余力を残す”のが正解です。



6) 瞑想:思考の暴走を止める練習


うつ病のつらさの一つは、

• 反省が止まらない

• 未来の不安が止まらない

• 自己否定が止まらない


という、思考の暴走です。


だから僕は、瞑想を


「気分を良くするため」じゃなく

**「思考を止める筋トレ」**としてやります。


短時間でいい。

呼吸に戻す。

雑念が出たら、また戻す。


これを繰り返すと、少なくとも

• ひとつの思考に飲まれ続ける時間


が減ります。


回復期は、これがかなり大きい。



7) 冷たいシャワー:スイッチを入れる(ただし慎重に)


冷たいシャワーは、正直“効く日”があります。

• 眠気が抜ける

• 頭がシャキッとする

• 気分が切り替わる


ただし、うつ病の人は自律神経が乱れているので、やり方を間違えると負荷になる。


だから僕はルールを決めています。

• 体調が良い日だけ

• 短時間だけ

• 無理に耐えない

• 震えるほどやらない


つまり


「治療」じゃなく「補助スイッチ」


として使う。


万能だとは思っていません。

でも「今日は切り替えたい」に効く日がある。

だから、選択肢として持っています。



8) 絵を描く:唯一の“生産側”


回復期は、基本的に

• 休む

• 整える

• 守る


が中心になります。


その中で、僕にとって絵は


唯一、生産側に立てる時間です。


でもここも勘違いしないようにしています。

• 作品を作らなきゃ、ではない

• うまく描かなきゃ、ではない

• 収益化しなきゃ、ではない


目的は


「自分の脳に、心地いい刺激を与える」


うつ病の脳は、快感や意欲の回路(ドーパミン系)が落ちやすい。

だから、絵は僕にとって、回路を“少しずつ温める”作業です。



まとめ:回復を早めるのは「根性」じゃなく「環境設計」


僕がやっていることを一言でまとめるなら、


脳が回復しやすい条件を、毎日そろえる


これです。

• 午前中の日光

• ベランダでぼーっとする(無刺激+光)

• 行ける日にストレッチ、できたら筋トレ

• サウナ

• 公園の散歩(人・森林・日光・運動)

• 瞑想

• 冷たいシャワー(慎重に)

• 絵を描く(唯一の生産側)


全部に共通しているのは、


「やりすぎない」

「できる日にやる」

「反動で崩れない」


回復期は、頑張った人が勝つ時期じゃない。

壊さない人が勝つ時期です。

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