第9話 急性期: 生きてるだけで100点


今だから言えるけど、

うつ病の急性期は、

本当にしんどい。


何もできない。

考えられない。

未来なんて想像できない。


「今日は何をしたか」

と聞かれても、

答えられない日が続く。


起きて、

寝て、

また起きて、

また寝る。


それだけ。


でも、

当時の僕は思っていました。


「何もできていない」

「自分には価値がない」

「生きてる意味が分からない」


今思うと、

それも全部、

脳の症状でした。



急性期の脳は“省エネモード”


急性期の脳は、

専門的に言うと


“シャットダウン状態”

に近いです。


・前頭前野の活動低下

・ドーパミン枯渇

・自律神経の乱れ


脳が


「これ以上動いたら壊れる」

と判断して、


強制的に省エネモード

に入っている。


スマホで言えば、


バッテリー1%状態


アプリも開けない。

画面も暗い。

動きも遅い。


それと同じ。



何もできない日のリアル


僕の急性期は、


・歯磨きがしんどい

・シャワーが怖い

・LINEの返信が無理

・外の音がうるさい


そんなレベルでした。


「何でこんな簡単なことが

 できないんだ」


毎日、

自分を責めました。


でも今なら分かります。


“できない”んじゃなく

“できる状態じゃなかった”


それだけ。



医学的に見ても正しい行動


急性期に

一番やってはいけないのは、


「無理して動く」こと。


この時期は、


✔ 休む

✔ 寝る

✔ 刺激を減らす


これが

最優先治療です。


薬も、


・症状を和らげる

・自殺リスクを下げる

・睡眠を安定させる


ために使われます。


つまり、


何もしない=治療中


ということ。



生きてるだけで100点


急性期の自分に、

今ならこう言います。


「今日も生きててえらい」

「それだけで満点」

「十分すぎる」


当時は

そんな言葉、

信じられなかった。


でも、


本当にそうなんです。


うつ病の急性期は、


“普通に生きる”

それ自体が

ハードモード。


・起きる

・食べる

・寝る


これだけで

フルマラソンくらい

エネルギー使ってます。



「何もしてない」じゃない


急性期のあなたは、


・ちゃんと呼吸して

・ちゃんと心臓動かして

・ちゃんと一日を耐えている


これ、

ものすごいことです。


目に見えないだけで、


内側では

 必死に生きている


誰よりも。



僕が一番救われた言葉


当時、

医師に言われた言葉。


「今は、

 治す時期だから

 何もしなくていいですよ」


この一言で、

少しだけ

肩の力が抜けました。


「何もしない=悪」

じゃない。


「何もしない=治療」


そう思えた瞬間でした。



もし今、急性期の人がいたら


どうか、

覚えていてほしい。


・焦らなくていい

・比べなくていい

・未来を考えなくていい


今は


“今日を生きる”だけで

 合格点


それ以上、

求めなくていい。



今日のまとめ


急性期は


✔ 省エネモード

✔ 何もできない

✔ それが正解


つまり、


生きてるだけで100点



次回は


第10話


回復期:動ける日と動けない日


日常のリアルな波を、

もう少し具体的に

書いていきます。

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