第8話 回復期がいちばん危険な理由
回復期に入ると、
少しずつ動ける日が出てきます。
外に出られた。
人と話せた。
笑えた。
そのたびに、
「もう大丈夫かもしれない」
「そろそろ元に戻れるかも」
そんな希望が、
静かに芽生えてきます。
でも、
この“希望”こそが、
実は一番危ない。
今日はその話をします。
⸻
なぜ回復期は再発しやすいのか
医学的に見ても、
回復期は再発リスクが高い
と言われています。
理由は、とてもシンプル。
見た目は回復してきたけど、
脳の中はまだ工事中
だからです。
前頭前野も、
神経伝達物質のバランスも、
自律神経も、
全部、
まだ“仮復旧”状態。
なのに、
少し動けるようになると、
「もう普通に戻れる」
「前と同じペースでいける」
そう錯覚してしまう。
これが、
一番の落とし穴です。
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調子がいい日の罠
回復期に起きがちなのが、
これ。
・溜まってた用事を一気にやる
・久しぶりに人に会いすぎる
・夜更かしする
・無理に元の生活に戻そうとする
「今のうちに」
「動けるときに」
その気持ち、
本当によく分かります。
でも、
脳の体力は
まだ全然戻っていない。
その状態で
フル稼働すると、
翌日、
一気に反動が来ます。
・動けない
・不安が爆発
・自己嫌悪
そして、
「やっぱりダメだ」
「治ってなかった」
そう思って、
また深く落ちる。
これ、
回復期あるあるです。
⸻
これ、サボりじゃない
大事なこと。
反動で動けなくなるのは、
サボりじゃありません。
脳のエネルギー切れです。
専門的に言うと、
「エネルギー代謝の破綻」
みたいな状態。
まだ回復途中の脳に、
負荷をかけすぎた結果、
強制シャットダウン
が起きているだけ。
つまり、
「頑張りすぎた証拠」
なんです。
⸻
僕の失敗談
正直に言います。
僕も、
回復期に何度も
やらかしました。
「今日は調子いい」
↓
「よし、全部やろう」
↓
予定詰め込み
↓
翌日、動けない
このループ、
何回やったか分かりません。
そのたびに、
「俺、成長してない」
「一生このままかも」
極端な思考に
引きずられていました。
でも今なら分かります。
あれ、全部
“やりすぎ”だった。
⸻
回復期の正解ムーブ
回復期で
一番大事なのは、
調子いい日に
ブレーキをかけること。
これ、
本当に難しい。
だって、
動ける=嬉しい
から。
でも、
・6割でやめる
・楽しくても切り上げる
・「まだ余力ある」で終わる
これが、
回復を早めるコツ
です。
筋トレで言えば、
限界までやらずに
「もう少しできそう」
で終える感じ。
⸻
なぜブレーキが効くのか
脳科学的に言うと、
オーバーワークは
神経回路の回復を遅らせます。
逆に、
・適度な活動
・十分な休養
・安定した睡眠
この繰り返しで、
神経可塑性
(脳が作り変わる力)が
最大化されます。
つまり、
頑張らない方が
回復が早い
という、
不思議な現象。
⸻
「戻る」じゃなく「作る」
ここで、
考え方をひとつ変えました。
「元の自分に戻る」
じゃなくて、
「新しい自分を作る」
前と同じ生活、
前と同じ働き方、
前と同じ無理。
それを
目指す必要はない。
むしろ、
うつ病を経験した
“今の脳”に合った生き方
これを
探した方がいい。
⸻
今日のまとめ
回復期が危険な理由。
✔ 少し動ける
✔ 治った気がする
✔ 無理しすぎる
✔ 反動で落ちる
これが
再発ループ。
大事なのは、
・調子いい日にセーブ
・「まだ途中」と思う
・長期戦で考える
⸻
次回は
第9話
急性期:生きてるだけで100点
何もできなかった日々を、
今だからこそ
肯定的に振り返って書きます。
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