第7話 一番つらい「回復期」


正直に言います。


うつ病で

一番つらかった時期は、


動けなかった急性期

ではありません。


回復期でした。


意外に思う人も

いるかもしれません。


でも、

僕にとっては

ここが一番苦しかった。



急性期のときは、


・何もできない

・考えられない

・感情もほぼない


正直、

つらいという感覚すら

ぼやけていました。


ただ、


「生きる」

それだけで精一杯。


苦しいけど、

ある意味シンプル。



でも回復期に入ると、

状況が変わります。


・少し動ける日が出てくる

・外に出られる日もある

・笑える瞬間が増える


すると、


希望が生まれる。


「もしかして、

 もう大丈夫かも」


「そろそろ戻れるかも」


この希望が、

実は一番やっかいでした。



なぜなら、


次の日、

また動けなくなるから。


昨日は

散歩できたのに。


昨日は

人と話せたのに。


今日は、


・布団から出られない

・頭が重い

・意味もなく不安


この落差。


天国から地獄に落ちる感覚

に近い。



急性期のときは、


「自分は病気だ」


と割り切れた。


でも回復期は、


「昨日できたのに

 今日はできない自分」


これを

どうしても

許せなくなる。


「結局、

 俺はダメなんじゃないか」


「治るって

 嘘だったんじゃないか」


こうやって、

希望があった分だけ

絶望も深くなる。



脳科学的に見ても、

回復期は不安定です。


神経伝達物質のバランス

自律神経

睡眠リズム


全部、


まだ工事中。


なのに、


「ちょっと動ける」

日が出てくるから、


治った気がしてしまう。


でも実際は、


表面だけ少し動くようになった

状態。


中身は

まだボロボロ。



この時期、


一番危ないのは


自分で自分を

追い込むこと。


「昨日できたんだから

 今日もやれ」


「甘えるな」


誰かに言われなくても、

自分で

自分に言ってしまう。


これが、

一番きつい。



僕も、


調子いい日に

無理をして、


翌日

動けなくなって、


「やっぱりダメだ」


って

何度も落ちました。


そのたびに、


「もう一生このままかも」


そんな

極端な考えに

引きずられる。



でも今なら、

分かります。


それ、

普通の回復過程です。


医学的にも、


回復期は


・再発しやすい

・波が激しい

・自殺リスクが一時的に上がる


と言われています。


それだけ


脳が不安定

ということ。



だから、

この時期に必要なのは


希望じゃなく

現実的な視点。


「まだ治ってない」

「今はリハビリ」


そう思う方が、

実は安全です。


期待しすぎない。

落ち込みすぎない。


いい意味で、

期待しない。



僕は、


回復期に入ってから


「今日は何割くらい

 動けそうか」


毎朝、

自分に聞くようにしました。


・3割なら

 歯磨きだけ

・5割なら

 外に出る

・7割なら

 人に会う


100%は

 最初から求めない。


これだけで、

心が少し楽になりました。



もし今、


「良くなってきたと思ったのに

 また落ちた」


そう感じている人がいたら、


それは


失敗じゃありません。


ちゃんと

回復の途中です。


ただ、


一番しんどい区間

なだけ。



今日のまとめ


回復期は


✔ 動ける日が出てくる

✔ 期待してしまう

✔ でもまた落ちる


これが


一番つらい理由


大事なのは


・期待しすぎない

・自分を責めない

・長期戦と割り切る



次回は


第8話


回復期が一番危険な理由


なぜ再発しやすいのか、

どうやって防ぐか、

具体的に書きます。

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