第4話 なぜ「頑張れ」が苦しくなるのか
「頑張れ」
この言葉自体は、
本当はとても優しい言葉だと思います。
誰かを応援したくて、
力になりたくて、
何かしてあげたい気持ちから
自然と口に出る言葉。
だからこそ、
言われた側も
「ありがとう」
って言わなきゃいけない気がして、
笑顔を作ってしまう。
でも、心の奥では
「もう、これ以上頑張れない」
そう思っている人も
たくさんいます。
僕も、そうでした。
⸻
うつ病になると、
「頑張れ」という言葉が
なぜか胸に刺さります。
応援されているはずなのに、
なぜか苦しくなる。
それは、
もう十分すぎるほど
頑張ってきたからです。
体が壊れるまで
心が折れるまで
限界を超えてきたからこそ、
今ここにいる。
だから、
「頑張れ」は
「まだ足りない」と
言われているように
聞こえてしまうのです。
⸻
脳科学的にも、
これはちゃんと理由があります。
うつ病のとき、
前頭前野という
「頑張る指令」を出す場所が
弱っています。
つまり、
「よし、やろう」
と思う回路そのものが
動いていない状態。
この状態で
「頑張れ」
と言われても、
エンジンが壊れた車に
アクセル踏めと言われる
ようなものです。
踏みたくても、
踏めない。
そのもどかしさが、
自己嫌悪に変わっていきます。
⸻
さらに、
扁桃体という
不安を感じる場所は
過剰に働いています。
だから
「頑張れ」
↓
「失敗したらどうしよう」
↓
「迷惑かけたらどうしよう」
↓
「自分なんて価値ない」
こんな思考ループに
一瞬で入ってしまう。
応援の言葉が、
自分を責める材料に
変換されてしまうんです。
⸻
でも、
これはあなたが
弱いからじゃない。
脳の状態が
そうさせているだけ。
それだけの話です。
⸻
僕は、
「頑張れ」と言われるたびに
笑顔で
「ありがとうございます」
って返していました。
でも心の中では、
「もう無理なんです」
「頑張れない自分が苦しい」
そう叫んでいました。
本当は、
こう言ってほしかった。
「今は休んでいいよ」
「生きてるだけで十分だよ」
たったそれだけで、
救われたと思います。
⸻
ここで、
ひとつ大事なこと。
**うつ病の回復に必要なのは
“頑張り”ではなく
“安心”**です。
・責められない
・評価されない
・比較されない
そういう環境で、
脳はやっと
修復モードに入ります。
医学的にも、
✔ ストレスホルモンの低下
✔ セロトニン分泌の回復
✔ 自律神経の安定
こうした変化が
起こりやすくなります。
つまり、
優しさは
ちゃんと脳に効く。
⸻
もし今、
誰かがあなたに
「頑張れ」
と言ってきたら、
心の中で
こう言い換えてください。
「応援してくれてるんだな」
「でも今の自分は
休むフェーズなんだ」
それでいい。
⸻
そして、
もしあなたの周りに
うつ病の人がいたら、
「頑張れ」の代わりに
「今日はどう?」
「無理しないでね」
「話聞くよ」
そんな言葉を
かけてあげてほしい。
それだけで、
救われる心があります。
⸻
今日のまとめ
うつ病のとき、
「頑張れ」は
優しさでもあり、
刃にもなる。
それは、
脳が“頑張れない状態”
だから。
必要なのは
✔ 気合 ❌
✔ 根性 ❌
✔ 叱咤 ❌
✔ 安心 ⭕
✔ 休養 ⭕
✔ 理解 ⭕
⸻
次回は
第5話
何もできない=怠けではない
「動けない」の正体を
脳科学と実体験で
丁寧に書きます。
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