第2話 脳の中で、いったい何が起きているのか
「脳の病気って言われても、
正直ピンとこない」
たぶん、多くの人が
そう思うはずです。
目に見えないし、
触れないし、
レントゲンで骨折みたいに
ハッキリ映るわけでもない。
だから、
「本当に病気なの?」
「気分の問題じゃないの?」
そう疑われてしまう。
でも、
脳の中では確実に
“異変”が起きています。
今日はその話を、
できるだけ分かりやすく書きます。
⸻
神経伝達物質のバランス崩壊
まず、
うつ病で必ず出てくる言葉が
神経伝達物質です。
少し難しいですが、
簡単に言うと
脳内で情報を運ぶ“メッセンジャー”
のようなもの。
代表的なのが
・セロトニン
・ドーパミン
・ノルアドレナリン
この3つです。
セロトニン
→ 気分の安定
→ 不安を抑える
→ 「安心感」を作る
ドーパミン
→ やる気
→ 快感
→ 達成感
ノルアドレナリン
→ 集中力
→ 覚醒
→ ストレス対応
このバランスが崩れると、
・何をしても楽しくない
・やる気が全く出ない
・常に不安
・集中できない
こういった症状が出ます。
つまり、
気持ちが落ち込むのは
“気のせい”ではなく
化学物質の異常なのです。
⸻
「考えられない」の正体
「頭が回らない」
「考えがまとまらない」
「決断できない」
これも
うつ病の典型症状です。
原因は
前頭前野という部分。
ここは
・考える
・判断する
・計画する
・感情を抑える
いわば
人間らしさの中枢です。
うつ病では
この前頭前野の働きが
低下します。
すると、
・思考力低下
・判断力低下
・先のことを考えられない
こうなります。
つまり
「考えられない」のは
能力の問題じゃなく
脳の機能低下です。
⸻
不安が止まらない理由
次に
扁桃体(へんとうたい)。
ここは
・恐怖
・不安
・怒り
を感じる
“警報装置”みたいな場所。
本来は
「危険だ!」
「逃げろ!」
と命を守るために
働きます。
でも、うつ病では
扁桃体が過剰反応します。
すると
・まだ起きてないことを恐れる
・最悪の未来ばかり想像
・些細なことで動悸
常に
脳が非常事態モードです。
だから
「気にしすぎだよ」
「考えすぎだよ」
と言われても、
止めたくても止められない
それが本音です。
⸻
過去ばかり思い出す理由
そして
海馬(かいば)。
ここは
・記憶
・ストレス調整
を担当します。
うつ病が長引くと
この海馬が
萎縮(小さくなる)
ことが分かっています。
すると
・嫌な記憶ばかり出てくる
・成功体験を思い出せない
・常に過去の失敗反省会
脳が
ネガティブ専用マシン
みたいになります。
⸻
つまり、こういう状態
まとめると、
✔ やる気ホルモン減少
✔ 考える脳が弱る
✔ 不安装置が暴走
✔ 嫌な記憶が再生され続ける
これが同時に起きる。
……冷静に考えて
地獄です。
この状態で
「前向きになれ」
「努力しろ」
は、
ほぼ拷問です。
⸻
だから“治療”が必要
ここで大事なこと。
うつ病は
気持ちの問題ではなく
脳のシステムエラー
だから
・休養
・睡眠
・薬
・環境調整
といった
医学的介入が必要です。
薬は
・セロトニンを増やす
・脳のバランスを整える
ために使います。
「薬は怖い」
と思う人も多いですが、
骨折したら
ギプスするのと同じ
脳の補助輪です。
⸻
僕自身の実感
正直、
理屈を知る前は
「自分はダメ人間」
って思ってました。
でも、
脳の仕組みを知って
「あ、
これは病気だ」
って腑に落ちました。
それだけで
自己否定が
少し減りました。
⸻
今日のまとめ
うつ病は
・気の持ちよう ❌
・性格 ❌
・甘え ❌
ではなく
脳のシステム異常 ⭕
ということ。
次回は
「MRIで異常が映る病気」
本当に
“脳の形”が変わる話を
科学的に書きます。
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