15話「闘技場2戦目•鎮火」
ナ「――っとぉ!
ここで時間制限が来てしまったぁ!
闘技場のルールに則り、今回は――
チャレンジャー・墨染の勝利だぁ!!!」
突然の宣告に、場内がどよめく。
墨染とビートは、互いに構えを解いたまま、ゆっくりと視線を合わせた。
ビ「……マジ?」
墨「……マジらしいな」
ビ「……不完全燃焼が過ぎんぜ」
肩をすくめ、ビートは苦笑する。
ビ「まぁ俺も、所詮は前哨戦みてぇなもんだ。
観客は“激しさ”を求めてるが――
上は、ハナからそれを求めちゃいねぇんだろうな」
墨「……あいつらに関わると、碌なことがねぇ。
聞かなかったことにするぜ」
ビ「ここまで来て、そりゃねぇだろ」
墨「……それもそうか」
短い沈黙。
だが、さっきまで殺し合っていたとは思えないほど、空気は軽かった。
戦って、殴り合って。
それだけで、少しだけ分かり合えた気がする。
――やっぱ、拳を交える交流に勝るもんはねぇな。
ナ「それでは次の試合前に!
少し休憩を挟みまぁーす!!」
歓声と雑音に包まれながら、墨染は控えへと戻る。
*
しばらくして。
日「すごかったですね!
あのビートって人!」
目を輝かせながら、日丸が言う。
日「墨染さんが“困ってる”ところ、
初めて見たかもしれません!」
墨「まぁ……そうだな。
完全義体ってわけじゃねぇから、
ああいう“熱量ゴリ押し”の相手は、正直キツい」
日「なるほど……」
一瞬間を置いて、日丸は少し声を潜めた。
日「……それでですね。
他の方から聞いたんですけど」
墨「ん?」
日「次の相手――
二人、だそうですよ?」
墨「……は?」
空気が、一拍止まった。
黒刀(クロキカタナ) なきぱま @Nakipama88
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