15話「闘技場2戦目•鎮火」

ナ「――っとぉ!

 ここで時間制限が来てしまったぁ!

 闘技場のルールに則り、今回は――

 チャレンジャー・墨染の勝利だぁ!!!」


突然の宣告に、場内がどよめく。


墨染とビートは、互いに構えを解いたまま、ゆっくりと視線を合わせた。


ビ「……マジ?」


墨「……マジらしいな」


ビ「……不完全燃焼が過ぎんぜ」


肩をすくめ、ビートは苦笑する。


ビ「まぁ俺も、所詮は前哨戦みてぇなもんだ。

 観客は“激しさ”を求めてるが――

 上は、ハナからそれを求めちゃいねぇんだろうな」


墨「……あいつらに関わると、碌なことがねぇ。

 聞かなかったことにするぜ」


ビ「ここまで来て、そりゃねぇだろ」


墨「……それもそうか」


短い沈黙。

だが、さっきまで殺し合っていたとは思えないほど、空気は軽かった。


戦って、殴り合って。

それだけで、少しだけ分かり合えた気がする。


――やっぱ、拳を交える交流に勝るもんはねぇな。


ナ「それでは次の試合前に!

 少し休憩を挟みまぁーす!!」


歓声と雑音に包まれながら、墨染は控えへと戻る。



しばらくして。


日「すごかったですね!

 あのビートって人!」


目を輝かせながら、日丸が言う。


日「墨染さんが“困ってる”ところ、

 初めて見たかもしれません!」


墨「まぁ……そうだな。

 完全義体ってわけじゃねぇから、

 ああいう“熱量ゴリ押し”の相手は、正直キツい」


日「なるほど……」


一瞬間を置いて、日丸は少し声を潜めた。


日「……それでですね。

 他の方から聞いたんですけど」


墨「ん?」


日「次の相手――

 二人、だそうですよ?」


墨「……は?」


空気が、一拍止まった。

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黒刀(クロキカタナ) なきぱま @Nakipama88

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