004 終わりの始まりの、始まり ②
影浦陽介たちの時間割(水曜日)
一限目:物理
二限目:国語
三限目:化学
四限目:技術
五限目:数学
六限目:英語
七限目:音楽
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「最初の授業は確か・・・。」
つぶやきながら陽介は記憶を探った。確か化学だ。曜日のことを気にせずにそこまで考え、実験記録書をもって化学室へと移動をしようとした。その時だ。後ろから声が聞こえた。ついでに笑い声。
「おい陽介、水曜日の一限目は物理だぞ。もう認知症でも来たんじゃねーのか?」
バカにしつつも正しい時間割を教えてくれたのは、滝本翔だ。そして気がついた。今日が水曜日だということを。「なんて馬鹿なのだ」と反省しつつも。
「……マジか。ありがと、翔」。
「ったく、昨日も寝不足だったろ。コード書いてたんだろ?」
なんだかんだで優しい翔に感謝を伝える。と同時に、 図星を突かれ陽介は小さく肩をすくめた。
「まあ、そんなとこ」
「お前さ、脳内がずっとパソコンみたいになってんじゃねぇの?」
翔は笑いながら教室を出ていく。
その背中を見送りつつ、陽介も物理の教科書を手に立ち上がった。
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一限目物理:ノートを取らなくても教科書を見返せば理解できそうだったので、寝ていた。
二限目国語:文法はともかく、板書をしないと主人公の気持ちなんてわかりそうにないため、一応板書。愛用のPCに。この学校は、未だに紙のノートに板書を書かされるのも付け加えておく。
三限目化学:化学式を扱った。ルールは違えど、ルールさえわかれば簡単なため、必要な部分だけを板書。少量の文のためだけにPCを開くのも面倒で、教科書に殴り書きした。
四限目技術:今日までの宿題についてやっていたらしい。簡単すぎてつまらなかったので寝た。
五限目数学:虚数解。問題を解いて終わり。寝ずにPCをいじっていた。
六限目英語:文型・品詞、そして時制。英語はプログラミングの理解に多少必要なため、珍しく真面目に受けた。
七限目音楽:寝ようとしたが、教師の声が大きすぎて寝られず。
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そうして、帰りのホームルームが始まった。
成瀬隆也が教卓に肘をついたまま、眠そうな目でプリントの束を持ち上げる。
「……はい、提出物と週末の予定なー。滝本、寝るなよ。お前こそ提出忘れそうだし」
「いや先生が一番寝そうなんすけど!」
クラスがどっと笑う。
陽介はその空気を遠巻きに感じながら、無言でプリントを受け取った。
隣では野々花が友達と小声で話しながら、時おりこちらをちらりと見る。
声をかけるほどの用事でもなさそうだが、気にしている気配だけが微妙に残る。
「じゃ、今日はこれで解散。廊下走るなよー……俺は帰るから」
成瀬の投げやりな声とともに、椅子が一斉に動き、帰り支度の音が教室に広がった。
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