第2話 路上

 一体何が起きているのか、知らなければならない。



 歩き出した信長の目の先に、見たことのない物体があった。面妖な。異国の衣か。次の瞬間、その物体が信長めがけて突進してきた。速い。信長は見ている。飛びつく物体。

「わんっ」


 犬の粗相を詫びながら、老人がやってきた。リードを引き、立ち去ろうとするが、犬は嬉しそうに信長にまとわりついている。 


「……一体どないしたんや、あんた。誰にも懐かへんのに。」

「さ、もう行くで」


 犬は動かない。てこでも…動かない。信長は少し面白くなった。

 ひとしきりなだめすかした後、根負けした老人は信長に言った。


「この子がこないに心許すのも何かの縁やわ」

「お兄さん、ちょっと。……うちまで一緒に来てもらわれへんやろか。」

「あんたを見込んで、頼みたいことがあるんやわ。」

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本能寺後記 伊原茂児 @mojiihara

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