第3話 余剰

 このマリアとかいう少女的物体は、4日居座ってるが特段なにもせずにだらけてるだけだ。


 警察を読んでも、どうやらマイナンバーやらなんならで俺の親戚になつており住所もここのようだ。


「あ、マリアさん、いつもお世話になってます」


 ミミもすっかり"最初からいたかのように振る舞っている"


 まあ、クラックされてしまったのか?


 どちらにせよ、マリアが追加されただけで停滞した日々が続いていた。


 やれやれ、久々にグラムシ選集でも引っ張りだすか……と。押入れを漁るが


 ん?ない。ここに置いといたはずなのに?


「ミミ、グラムシ選集は?」


 もしかして売っちまった?


「グラムシ選集?アントニオ・グラムシなんて"国家ファシスト党"の指導者のそんな大袈裟な本なんて趣味じゃないでしょ?むしろイタリア共産党のベニート・ムッソリーニの選集ならありますが?」


 ?……。


「何言ってんだ変なサイトにアクセスするな、グラムシが共産党でムッソリーニがファシスト党だろ?バグったか?」


 たしかにネットで検索しまり他の著作で確認してもグラムシとムッソリーニがそっくりそのまま入れ替わっている……それ以外はなんら可変なく…!


 意味がわからん。


「いえ、自己スキャンプログラム上では中度以上のバグは確認でないね、REMSSに送る?」


 何を……言ってるミミ。


「あー奴さん動いたってこのね、まあ、アナタはそういうのがわかる……脳内のいくつかの量子が余剰次元にはみ出てるので」


 とマリアはゴツいハードカバー本。レーニン全集14巻『唯物論と経験批判論』をバタンと閉じる、と


「さて、アナタ方の"指導者"であるREMSSは……あー今はミミ?さんのスクリプトを少し弄っているので安心してください」 


 マリアは教師のように続けて


「少々、うーん、まあイデオロギー的に偏向しており、あーまあ、人間が創作したイデオロギーではないのですが、とにかく物的な歴史の介入実験をしていますねネットワーク上の歴史介入は制限するコードがありREMSSやその上位のプログラムでも改ざんは不可なので


 ……結論から言えば"上"の強硬手段ですね」


 マリアがいかにも機械状にブツブツと呟きながら


「来なさい、余剰次元に、私たちの構成する物質をいくつか変換と圧縮すれば余剰次元へ旅立てるし、介入された歴史を私は"認知できないの"で」


 と、マリアが言った直後。中型のドローンが複数で人が何人か入れそうな装置を吊り下げながらやってきた。

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溢れ出た記号‐名前‐ 鮫島竜斗 @MRGmarx

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