第4話

「な、百海どうかいテメエ!」


「なあ、雨夜あまや考えても見ろ、もし優樹ゆうきの勘が全て正しかったとすれば、依頼を受ければ私達は相当危険な目にあうだろう、もしかしたらこの中の誰かが死んでしまうかも知れない『だから!』 しかし、行かなければ確実に私達は後悔し続け、冒険者を続けられなくなり、生きているのに死んだ様な人生を送る事になるって事なんだろ?


 なら、行くしかないだろう?


 死んだ様に生き続けるより、喩え確率が低くても戦って生き伸びる方を選ぶしかないだろう!

 それが私達が戦っている理由だろうが!」



燈里とうり、何時もゴメンな。

 でも、俺は行きたい! 死ぬかもしれないけど、燈里、お前の力を貸してくれ!」


「燈里さん、私も優樹兄さんと一緒に潜る。  


 だって、私達は冒険者を続けないといけないから。

 冒険者を続けて、力を手に入れる必要があるから。


 優樹兄さんの勘が正しくて、もしもここで迷宮ダンジョンに行かなくて、その後悔が元で冒険者を続ける事が出来ずに生き残ったとしても、私達はそれじゃダメなの! 


 死んだ様に生きていたくないから冒険者をやってるの!

 もし燈里さんが来てくれたら、頼もしいけど……流石に私達の為にそんな所に来て欲しいって、私は言えないよ。 だから燈里さんは残ってて」


「――たく、仕方ねえな! お前達、オレがいねえと碌に罠も見抜けらんねぇし、索敵だってオレがいねえと碌に出来ねえだろ?


 そんなお前達だけ行かせて死なれでもしたら、それこそ本当に寝覚めが悪いんだよ!


 いいか、行くなら徹底的に準備して行くぞ、おいクソリーダー!

 今こそオレ達のヘソクリ全部吐き出せ! 


 ついでにお前達の金も全部吐き出せ!

 死なねえ為にガッチガチに準備してからじゃねぇとオレはマジで行かねえからな!」



 それから四人は冒険者ギルドで依頼を受注すると共に、今回は特異体イレギュラーが出る可能性をギルドに示唆して、万が一の時はギルドが総力を出せる準備を嘆願したが、受け入れられなかった。


 落胆しつつも、予備の武器やポーションなどの魔法薬、食糧やロープ等の備品類を全財産をほぼ投じて準備をする事にした。


 そして、依頼当日。


「あっ、神縄かんなわ君にりんちゃん久し振り! 元気してた?」


「お久し振りです、花室はなむろさん! お陰様で私達は元気いっぱいです!」


「そうか、良かったよー。

 あれから神縄君は無茶してない?」


「あゝ……してなかったんですけどね、今回がその無茶と言うか何て言うか……」


「うん? どゆこと?

 ねえ、神縄かんなわ君? どゆこと?」


「えぇっと『こいつの勘が今回の依頼がクソヤベエって言ってるんだよ』ッバカ、燈里! 

 と言う事なんだ、あは、あははは」


「それなら、何で来ちゃうかな?

 何でそんなに生き急ぐのっ!?」


「まあ、話を聞けよ?

 同時に今回の依頼を受けなければ生きた屍みたいな人生を送る事になるって勘が言ったんだと。

 なら、足掻くしかねえだろ?


[それにお前もヤバいって彼奴の勘が言ってたのもあるしな。

 お前もいい加減気付いてんだろ? この偽鈍感女?]ヒソヒソ」


 みるみる内に香織の顔が真っ赤に染まり、先程迄の上級冒険者らしい余裕が、全く無くなっていった。


「なっ!」


「香織? 何かコソコソ話してんだ?」


「な、なんでもナイヨー、危険な依頼なら気を付けないとねーって話してタンダヨー」


「まあ、良いじゃない、藤吾さんが待ってるから行くよ!(きっと優樹兄さん絡みの事だよね? いい加減二人とも付き合えばいいのに)」

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