第5話
「か、
「
「え、まさかあの
だってあれは――そっか、そうだよね。 私も知ってたのにね……ゴメンね、神縄君……私の為にこんな『違う!』え?」
「い、いや違くないんだけど……それだけじゃないんだ。
前回の
両親を失った後は知っての通り、非道いもんだよ。 今まで武門屈指の神縄家宗家だとか、勝手に祭り上げときながら、両親が死んだ途端に多くの分家達が、両親を喪って悲しみに暮れている俺達に、追い討ちをかけるかの様に色んな物を奪いにやって来たんだよ。
土地、財産、利権、武門の看板……ありとあらゆる物を、我先に手を付けた者勝ちと言わんばかりに群がってきたんだ。
今よりもっと力の無い俺達はどうする事も出来なかった……そんな時に、一族でも分家でも無い、我が家に仕える使用人だった藤吾と燈里の親父さん達が、俺達の手を離さずに必死に守ってくれたんだ。
それでも、俺の力が足りないばっかりに、未だに皆に苦労をかけ続けているんだっ!
俺は力を手に入れる為に
そして、両親を殺した
ここで引く訳にはいかない。
神縄家当主として力を示すのは今だ!
ここで引いたら、これまでの皆の忠義が無駄になってしまうんだよ!
確かに香織の事も心配だし、D級の癖にと笑われるかも知れないけど、香織を守ってやりたい。
でも、悪いけどそれだけじゃないって事だけは解って欲しい。 ゴメンな」
「ううん、それなら此処に来たのも仕方が無いね! 大丈夫! 神縄君が私を守りたい様に、私も神縄君を守りたいんだから!
だから私も力を手に入れる為に
「「………………」」
(ねえ、燈里さん、あの二人、何か良い感じじゃない? 急展開なんだけど?)ヒソヒソ
(彼奴等もいい加減素直になればいいんだよ! 優樹! 今だ! 早く言え! 今なら行けるぞ!)ヒソヒソ
「「あ、あの!」」
(燈里さん、これラブコメとかで良くあるパターンだよね?)ヒソヒソ
(嗚呼、このパターンだと大概……)ヒソヒソ
「おう、皆揃ったみたいだな!
お、花室、久し振りだな!」
「! あ、ああ、
「こんの、デカぶつがっ!」 ガスッ
「藤吾さん!」 ゴスッ
「おうっ! あ痛っ! 何だ、お前達?」
燈里が優樹と香織に見えない様に二人を指差し、神縄家の暗号で内容を伝える。
「ふむ、些か間が悪かったみたいだな!
済まんな、二人共!
では、こうしよう」
藤吾は大きく域を吸うなり
「私、百海藤吾はこの探索が終わったら、此処に居る神縄優樹と花室香織の結婚式を見届ける! それまでは絶対死なん!」
周囲の冒険者達は勿論、当の本人達も呆気に取られて、誰も声を発さない無音が続く。
「んの、バカ百海ッ! 結婚の前にする事があんだろうが!」
「あ、あゝ、結納だな!?」
「藤吾さん、まだ二人お付き合いすらしてないんだけど……?」
「ん? はーはっはっはっはっはっ!
そんなもの、最早いらんだろう?
どうせ、今でも2人とも付き合っている様なものだろう?
それに元々は婚約者ではないか!
戻ったら、即、結婚、それでいいじゃないか?
何が問題なんだ?」 ゴスッ
「ッのぉぉ、この木偶の坊がっ! 色ツッコミてえが……その前にお前が雑な死亡フラグを立てんじゃねえっ!」
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