第4話 初めまして御母様

さて、しっかりと朝ごはんを食べたことだし、せっかくゲームの世界に来たのだから冒険をしたいな。他の街に行くのには何が必要なのだろうか?現実だと、国で言うとパスポートだよな。そんなの、この世界に無いからな…それっぽいのだと通行許可証とかかな。

通行許可証は…ギルドに行かなければならないか。依頼のついでに聞いてみるか。


「この街には黒銀の奴らもいて気分が悪くなるから、出て行かないか?」

「うん」

「そのためにも、依頼を受けて金を貯めないとな。」


ギルドの依頼といえばゲーム内では、[採取]、[討伐]、[護衛]、[調査]、[探索]の5つに分けることができたよな。ゲームのスノーは[採取]と[調査]、[護衛]のプロだったけど、今のスノーは何が得意なんだろうか…というか、黒銀のパーティーの時に荷物持ち以外に何かやっていたか?


…「採取は手が汚れる」ってアイツらから言われてやってたな。

もしかして、それで[採取]のプロだったのか!?なら[調査]は荷物持ちで戦えないから見ることしか出来なかったからからか!?そんなことがあるのか…スノーは何にでも適正がある可能性があるな。

適正検査は、たしか金貨一枚でできたよな。

やるか…まあ、やらずとも俺のスノーたんが優秀で可愛いのは言うまでも無いんだけどな。


「はあ、うちのスノーは可愛くて、優秀だよね。本当に最高だよ。」

「え、え!?急になんですか?私、売られるのですか?」


あ〜え?何故に売られるとなったのだろうか。

褒めて扱いやすくするとかか…合ってそうだなぁ。どうやって、訂正するべきかなぁ。

でも、オオカミに食べられそうな羊みたいな顔をしてるスノーも可愛いな。


「スノーのことは何があっても売ることはないよ。なんせ、この世界の金貨を全て集めても価格に似合わないからね。」


スノーが顔を赤らめている。


「それにね、俺の地元にはね、可愛い子には一人で旅をさせよって言う昔からの知恵があるんだ。理由は甘やかさずに知識を深めて欲しいかららしいんだ。だけど、別に一緒に居ながら成長してくことだってあるから、俺はそんなことないと思うんだ。

だから、俺もスノーと一緒に成長していきたいなってことだよ。こんなこと言ってると恥ずかしくなるね。でも、それくらい俺はスノーのことが好きだよ。」

「好きとかは分からないけど、私も色々なことを知ってみたいです!!だから、これからも一緒に居て冒険とかしたいです!!」

「あ、ありがと。」


なんというか、恥ずかしいことを言っているときに、相手の方が恥ずかしいこと言ってるとこっちの方が何倍も恥ずかしくなるな…


そんな話をしていたら知らない道に出たようだ。


「ごめん、スノー、完全に迷ったみたいだ。」

「はい、ギルドまでの道って少しだけ難しいですよね。」


あぁ、スノーに慰められた。哀れんでるスノーは強そうで、かっこかわいいな…一眼レフカメラほしぃ。

漫画だとこんなシーンって不良が出てくるけど、居ないよな。なんせ、始まりの街だからね。


「とりあえず、元の道を歩こうか。」

「私も、そうした方がいいと思います…」


歯切れが悪いな、ここに何か思い入れがあるのだろうか?


「ス、スノー!?」


スノーに似た女性が杖を持ちながら横の扉から出てきた。


「お、お母さん!?」


急に出てきた女性に向かってスノーは言った。


これは、なるほど…親へのご挨拶か。贈り物とかの準備してないけどアイテムボックスから何か出せば良いか。

あとは、腹を括るだけだな。


「スノー、それとお客さん、こんなところだと少しあれだから家に入ってらっしゃい。」

「ええ。そうさせてもらいます。」


スノーは驚きのあまり狼狽ながら固まっている。


「お邪魔します。」

「た、ただいま。」



「こんな、場所でごめんなさいねぇ。」

「いえいえ、落ち着く良い場所ですよ。」

「それで娘の彼氏で合っているかしら?」

「いえ、スノーのパーティメンバーなんです、2人しかいないんですけどね。それで、今求婚中なんです。」

「ア、アウトさんっ!」


スノーが背中をぽかぽかしている。

それを見た御母様は笑っている。


多分、御母様は良い性格をしているな。


「ふふ、アウトさんって言うのね。スノーちゃんのことをよろしくね。」

「もちろんです!!」


あまりの勢いで言ったからか、御母様は驚いて、スノーは狼狽ている。


この親子面白いな。


「多分、どこかに向かっているのね。あんまり長い時間いるのは悪いから、そろそろ帰るのはどうかしら。2人の時間を取らせちゃうのは悪いしね。」

「そうさせてもらいます御母様。また結婚する前にでも来ますね。」

「アウトさんっ、恥ずかしいのでもうやめて下さい。」


もう、スノーは限界のようだ。それに、実際に時間的にもギルドに行きたい。御母様の言葉に甘えさせてもらおう。


「またいらっしゃい。ちなみに、私の名前はアーリアだわ。」

「そうさせてもらいます、アーリアさん。」

「お母さん、またね。」

「ええ。スノー、いつでも帰ってらっしゃい。」

「うん!」


まさか、スノーのお母さんに会うことができるとは…ゲーム内では16歳の冬、ちょうどゲームが始まる時期に病気で死んでしまったらしいから、会えたこと自体に驚いている。

スノーも前より活き活きしている。多分、街から出る心残りはお母さんのことだったんだろう。一応聞いてみようか。


「もしかして街から出る話をした時に心残りだったのってお母さんのこと?」

「分かってたんですか!?」

「まあ、あんなに暗い顔をしていたからな。」

「そうですか、実は母はあまり体が強くないのでずっと心配なんです。」

「なら、また会いに行かないとね。」

「そうですね。また一緒に行ってくれますか?」

「もちろんだよ。」



そんな話をしながら来た道を戻り、冒険者ギルドに向かう。

アウトの記憶の中よりも大きく活気に溢れた冒険者ギルドが見えてくる。


冒険者ギルドでは、まず黒銀パーティを抜けて新しいパーティを作らないとな…忙しそうだ。


「さあ、冒険者ギルドの目の前に来たぞ」

「ギルドって何回来ても慣れません。」


スノーにとってはギルドは心休まる場所ではないようだ。

追放とか色々合ったしな…

まあ、イメージ通りの酒屋だだな。今は昼前だからか多くの人で賑わっているようだ。


とりあえず冒険者ギルドですることをまとめよう。

まずはパーティを組むことだ。その後に通行許可証を発行することだ。

まだ昼前だが、パーティ脱退や通行許可証の発行に時間がかかるならば宿も取らないといけないから急がないとな。


「じゃあスノー、行こうか。」

「はいっ!」


スノーは我先とギルドのカウンターに向かう。


そこまでして黒銀から抜けたいのか…あんなパーティだからな。分かる。

俺もそう考えてスノーに合わせるように早く歩く。


「お疲れ様です。黒銀のお二人様。本日はどのような要件でいらっしゃいますか?」

「今日はパーティの離脱と新しくパーティを組もうと思って…それと通行許可証の発行をお願いできますか?」

「承知しました。」


ギルド受付のスイレンさんの質問に答える。

多分、昨日の追放を見ていたためかスイレンさんは驚きもせずに答えた。


「スノー様も同じでよろしいでしょうか?」

「はい、大丈夫です。」


スイレンさんは後ろの棚から紙を出して俺たちに見せてきた。


「お二人様は黒銀のパーティリーダーであるゴルド様によって、すでに黒銀を脱退されます。そのためアイアンランクとなっております。」


スイレンさんは申し訳なさそうに答える。


「そうですか、それなら自由都市フスリアへの通行許可証の発行をお願いできますか?」

「承知しました。辺境リンドサムから自由都市フスリアへの移動ですね。」


自由都市フスリアは移動に適した最も冒険者が集まる自由都市である。

何よりフスリアのダンジョンの最深部にスノーを覚醒させるアイテムがあるのだ!これは行くしかないね。


「こちらが自由都市フスリアの通行許可証です。向かう際はフスリアへの護衛任務を受注しますか?」

「スノー、そういうことでいいか?」

「はい、大丈夫です。」


元気な返事だ、確かスノーはまだフスリアには行ったことが無いはずだからな。

旅をしながら2人で世界を巡るのもいいな。


「それと俺とスノーの2人でパーティを組みたいのですが可能ですか?」

「承知しました、パーティ盤を持ってきます。」


ついにスノーと2人パーティだ!!ここから相思相愛になって結婚するまですぐだろう。あいらぶスノーたん。


「ではお二人ともこの石盤に血を垂らして下さい。」

「は、はいっ!」


スノーが怯えている?何か石盤に悪い思い出があるのだろうか?




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【ギルドランク】

ギルドからの個人への信用度を表すもの。パーティからの脱退をするとアイアンからのやり直しになる。パーティランクとは別。


白金(プラチナ):国を救うほどの功績を挙げたゴールドランク

金(ゴールド) :大きな功績を認められたシルバーランク

銀(シルバー) :功績を認められたブロンズランク

銅(ブロンズ) :ギルドの5つの仕事ができると認められた人

鉄(アイアン) :研修に合格して一人前として認められた人

見習い :見習いとして研修を受ける必要がある

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突然に推しが追放されてたから俺が貰っちゃても良いですよね 〜推しが聖女と分かったからって返す気はありません〜 てぁてぁ猫(=ↀωↀ=) @telatela0111

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