第3話 朝ご飯はフレンチトースト

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

拝啓 お母様、お父様

異世界は幸せです。

推し様が膝の上で幸せそうに寝ている姿は何にも喩えられない程に美しく、可愛らしいです。

時折に告白を思い出したのか、声を殺して悶え苦しんでいる姿は揶揄いたくなります。

異世界の息子より 敬具

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そんな一人芝居をやっていると朝日によってスノーが起きたようだ。

少し揶揄おうか…


「スノー、おはよう」

「えっ?お、おはようございます」

「それでさ、スノーは昨日の告白の答えを考えてくれた?」

「告白?あっ!!うっ、もう少し考えさせてくださいっ」

「んー、わかった。また聞くね。」

「えぇと、はい。」


スノーは少し恥ずかしそうに、真面目に言葉を漏らした。


うん、可愛い。それは置いておき、徹夜をして分かったことが一つある、あの圧倒的な体力値のおかげで睡眠が必要ないみたいだ。利便性は高いな。

常にスノーを守れるのがいいな。でも、寝たいな…休んだ気がしないからな。


「ぐぅぅぅぅ〜」


スノーのお腹が大きな音で鳴き、本人は恥ずかしそうに顔を俺の膝に埋めている。

あ〜あ、膝に気づいたようだ…顔を横のベットに顔をずらしたな。


そういえば、昨日の追放の時にスノーはご飯を少しも食べていなかったなぁ。どうりで…

せっかく、ゲームの職業が料理人で料理スキル(MAX)があるから何か作るか…スキルが使えなくても大学の時は他にすることがなくて自炊はしてたから出来るはずだ。会社に入ってからはデリバリーに頼ってばっかだったけどな。


スノーは昨日何も食べてないしカロリー高いものがいいよな。まあスノーが甘味が好きっていうのもあるんだけども。



「よし、最初に手をしっかり洗ってっと…そういえば材料何もないし、お金持ってないわ」


手洗い損だ…健康的だから良いことか。

そんなことより、お金がないことはかなりの問題だ。衣食住が危うい。

衣類は2人とも、着ているものだけなはず。食は材料がない。住居は今日まで。

何に関してもだが、まずはお金が必要である。


「アイテムボックスでもあればなぁ。中からすごい美味しい卵でも出せるのに…ん!?」


アイテムボックス確認していなくないか?

ステータスウィンドにはアイテムボックスの襴は無かったよな。

どうやってアイテムを出すんだろうか?そもそもあるのか?

やっぱり試すしかないよな!!


「アイテムボックスオープン!」

「アウトさん、な、なにやってるんですか?」

「ごめん、なんでもないよ…」


俺の小さな独り言をスノーはしっかりと聞いたようだ。


恥ずかしい。

だが、スノーのご飯のためだ、[フェニックスの100年卵]くらい出して見せるからなっ!!


『ぽんっ』


そう言った直後、いきなり少し大きめな卵が降ってきた。

スノーが目をまん丸にして驚いたいる。


「アウトさん、アイテムボックスのスキルを持ってたんですか?」

「そういうことみたいだな…」

「凄いです!」


どうして出たのかはわからない。でも重要なのは、アイテムボックスがあるということだ。

待っててね、スノーのために美味しい朝食を作るからね!!


まあ、卵一個では何も出来ないので他のものを出さなければ行けないんですけどね。

どうやって出すのだろうか…



かれこれ30分、調理道具からパンなどを出していくうちにアイテムを出す条件が多分わかった。


その条件とは、出そうとするものを一つのものに絞れる条件を出すことだ。


つまり、卵、フェニックスの卵、フェニックスの100年卵の三つの卵があるとき、

[卵]では3つとも該当して、[フェニックスの卵]では2つ該当する、だからこそ[フェニックスの100年卵]で1つに絞ると出すことが出来る。

つまり、1つに絞ることがアイテムボックスからアイテムを出す条件ということだ。



そんなこんなで、調理器具を除いて3つの材料を出した。

フェニックスの100年卵、聖女の微笑み、女帝の花蜜


まぁ、腐っていたら嫌だし一応、鑑定をしようか。


【 「鑑定(MAX)」を使用しました。】

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

フェニックスの100年卵 ★★★★★

(炎耐性超を1日追加)

フェニックスから生まれ100年間温められた卵。

世界の滅亡の前の最後の晩餐に食べることを推奨するほどにレアで神秘的な美味さを持つ卵です。

料理素材。錬金素材。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

聖女の微笑み ★★★★☆

(幸運の値を10増加させる)

召喚された聖女が初めて微笑んだとされる砂糖

熱烈な教徒ならば喉から手が出ても欲しいものです。

料理素材。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

女帝の花蜜 ★★★☆☆

(幸運の値を5増加させる)

女帝蜂が作ったとされるハチミツ。

一口食べたら病みつきに…強い自制心を持つことを推奨します。

料理素材。錬金素材。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


やっぱり、もの凄そうな説明だな。ゲーム内でしか食べれなかったから、実際に食べれるとなると楽しみだなぁ。

今度こそ、朝食を作ろう!


「スノー、おいで!じゃあ、手を洗おうか」

「は、はいっ」


「まず、スノーが持っていたパンを食パンのように切る。

次にフェニックスの100年卵を割ってかき混ぜる。」

「分かりました!いっぱい混ぜます!!」


今回は一人じゃないから、協力しよう。そういうことで、スノーにかき混ぜてもらう。

その合間にフライパンを中火で余熱する。


「そして、砂糖を混ぜた卵に入れ、再び混ぜるよ。」

「はい!!」


ここで牛乳を入れるとまろやかになるが、今日はシンプルを楽しむ味にするため入れない。


「次は、混ぜた卵に食パンを漬ける。」


ここで本当は寝かせたり、電子レンジで温めて毛細管現象を起こして、中まで卵を浸透する。ただ、フェニックスの100年卵は常温で50度あるので、浸透が早いためすぐに取り出して良い。

「それで、フライパンを濡れ布巾で冷やし、弱火で焦げ目がつかないように焼くよ。」


砂糖が入っているため焦げやすいので注意だ。


「卵が固まったら焦げ目をつけるため中火で15秒ほど両面焼く。最後に完成品に女帝の花蜜を回しかけたら完成。」

「匂いから凄い美味しそうです!!」

「そうだね!!でも、最後はやっぱ気になるから鑑定!!」


【「鑑定」を使用しました。】

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

フレンチトースト ★★★★☆

(炎耐性超、幸運値を20増加)

アウトによってスノーのために作られたフレンチトースト。

朝だけでなく昼も夜も食べたい逸品。

解体不可能。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「うん、やっぱ朝はフレンチトーストだね♪」

「フレンチトーストですか?」


初めて聞いた単語に不思議そうにスノーは首を傾ける。


「そう、パンを甘くした朝食だよ!食べてみて。」

「おいしいですっ!!柔らかいだけじゃなく、中火で焼いたからサクサクです!?」

「ほんとだね。さすがレアリティの高い素材と料理スキルだ。味もハチミツによって深みがでてるね。紅茶でも飲めば、スッキリする朝ご飯だな。はぁ、紅茶用意するべきだったな。」


スノーは目を輝かせながら食感と味を楽しんでいる。


やっぱりスノーは好きな物だとよく喋るな…そうなると俺は好かれていないってことだよな。まあ、時間はあるからゆっくり餌付けをしていこうかな。



アイテムボックスで実験していた時にわかったことがある。

ゲームで稼いだ金額分入っていることだ。だが、せっかくの異世界だから働かないと。


「お金を稼がないといけないよね。冒険者がお金を稼ぐなら、やっぱりギルドにいくのが一番かな。移動の利便性的に自由都市フスリアに行きたいな。」

「依頼、受けるんですか?」

「そうだね、そうする予定だよ。スノーはどこか寄りたい場所はあるかい?」

「な、ない、です。」


うーん、これは絶対にある反応だよな、どうにかして探ってみるか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る