第2話 俺、推し様と一緒の部屋に泊まる

「スノー、これから永遠に一緒にいよう」(そこまで言っていない)

「モチモチの木です」(言ってない)


スノーはいきなりの告白によって、さっきよりの追放よりも慌てているようだ。


うーん、色々ミスったな。順序が飛んだ。

いやぁ、いつかは相棒になって、相思相愛になり、結婚したいとは思ってたよ。あいらぶスノーたん。


しかし、相手は中学生くらい(推測)の子供だぞ!?

どうしよ、15歳差は普通に大人にとってもデカいぞ。

何よりもマズイのが、モチモチの木(言ってない)ということだ。断ってくれたなら、訂正が出来たのに。


いや、普通に年齢を聞いてみよう!そうすればワンチャン…ゲームの年齢が16歳で今より背が小さいから、普通に無理じゃね?

まあ、聞くだけタダだよな!


「スノーちゃん、今何歳かな?」

「えっと…14歳です」


スノーはなぜ年齢を聞いているのか分からないのか、警戒しながら答えた。


やはりゲーム開始の2年前か。

終わった。29歳が14歳に告白をした。普通に事案すぎる案件である。

そこまで親愛でない親友よ、俺は先に刑務所にいるよ…

が、待てここはCross World Onlineことゲームの世界…コレは合法でないか?

つまり、異世界では合法的(脱法)に推しと結婚できる。


そんなことより、普通に夜だから寒いのだ。

推し様が震えている。

ここは異世界だからホテルではなくて宿なのか…スマホに依存した一般社畜には部屋の取り方が分からない。というか、間違えた時が怖い。

スノーたんにはかっこいいとこ見せたいからな。

ゲームの時はキーボードを押すだけだったからなぁ。

恥ずかしいけど推し様に頼もう。うん。


「スノーちゃん、寒いから宿に行こう。」

「宿、ですか?」

「二部屋取るから安心してね。もちろんお金は俺が払うから気にしないで大丈夫だよ。」

「あ、ありがとうございます。お金持ってないから助かります。」


スノーはニコリとわかりやすい作り笑顔を浮かべた。


やはり、なぜ宿に行くのかも分かっていないようだ。もしかして普段も野宿をさせられていたのだろうか…あの大男許すまじ!!




それから、適当な宿屋に入った。


「お、おばちゃん、二部屋で一泊お願いします。」

「了解だよ。銅貨6枚ね。」


推し様も、おばちゃんは慣れているのか流れていくように予約をしていた。


推し様と宿のおばちゃんが話しているうちに自分の服の中を調べたら、財布のような麻袋を見つけた。


「よし、見つけた。」


これで安心だ。異世界でも金があるだけで生活の質は高くなる。黄金至上主義万歳だ。

麻袋を開けると、四枚の銅貨があった。

四枚だ。銅貨である。

普通、異世界転生って神様がお金くれるんじゃないの!?金貨は?異世界チートは?順風満帆なハネムーン生活は?


いや、落ち着こう、何よりまずいのはチートスキルがないことではなく宿代だ。

推しに金を借りるしかないのか?宿を取るのをお願いした後にか?


…嫌だっ!だが、スノーたんのためにも聞かねばならぬっ、それが大和の武士である!!


「ス、スノー様、銅貨2枚をお持ちではないでしょうか?」

「あ、えと、っお金ないです」


無理だっ、よしおばちゃんに頼もう。


「おばちゃん、宿を安くできませんか?銅貨二枚ほど…」

「できない相談だねぇ。あと言っておくとここ以上に安い宿は近くにないからね。」

「お手伝いの募集とかは…」

「ないねぇ、何せ客は多くないからね。」

「料理とか出来ますけ、ど…」

「私は50年以上毎日作ってるねぇ。」


おばちゃんはクレーム対応すら慣れているのか流れるようにいなしている。


無理だ!どうすればいい?俺だけ野宿をすれば銅貨三枚でいけるか…?


そんな感じで俺が宿代をケチっているのを見たのか、推し様が俺が金を持っていないのを理解したのか、焦っている。うん、可愛いな。そして本当にゴメン。


「えっと、私は同じ部屋でいいですよ。」

「おばちゃん、一部屋でお願いします…」


やばい、スノーたんの哀れみの作り笑顔が俺に刺さる。

スノーの優しさによって俺は恥ずかし死にそうだ…

十中八九、死ぬほど顔は赤かったと思う。本当に恥ずかしい。


「ほらっ、コレが鍵ね。赤いドアの部屋だよ。」

「「ありがとうございます。」」


スノーと俺の声が重なった。


うん、少しでもここから早く離れたいからすぐに行こう。

推し様は、お姫様抱っこでいいか。反応が見たいからね。あと、恥ずかしいから俺の顔を見られたく無い。


「よいしょっ」

「ひゃっ」


スノーは驚いたのか、今まで以上に可愛い声を出し、顔を赤らめた。

おばあちゃんは新婚カップルを見てるように笑顔だ…おばあちゃん、ゴメン、ただの金欠二人組なんだ。


やっぱり軽いな、そして死ぬほど可愛い。

ご飯をあんまり食べてないのか?14歳で?

それは置いておき、腕力も馬鹿ほど強いな。無量◯処ほどでないがチートスキル万歳だ!


赤いドアの前にやってきた。でっかいな。

うん、デカいドアを開ける時はコレが言いたくなるよな


「開けごま!!」

「ごま?」

「なんでもないです。」


スノーは気に入ったのか、何度も小さな声で復唱をしている。


うん、恥ずい。それと狭い。

とりあえず推し様を休ませて異世界っぽいこと試してみるか。ここが本当にCross World Onlineならステータスと職業を見たいしな…


「スノーちゃん、ベットで休んでおいで」

「わ、わかりました。」


ベットと聞いて変な想像をしたのか凄い顔を赤らめている。襲いたくなるくらい可愛いが、流石に駄目だ。


よし、試すかっ


「ステータスウィンドウオープン!!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〜ERROR〜

記憶が失われています

強制的に「アウト」の記憶を復旧させます

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「うぇ?」

「ア…トさん!!」


なんだこれ頭が痛い!!割れてるのか?頭割れてる?

なんだコレ、これは俺じゃない記憶?アルト?

こんなやつが、俺なのか!?

いわゆる異世界憑依だと思っていたが、普通の異世界転生だったのか。

そして、人生2周目でも童貞か…


うわっこいつ、スノーが虐められても助けねぇじゃねえか!!

許せねぇ…絶対に消してやる…俺かっ!!

そろそろ起きようか、頭痛も治ってきたしな。それに、スノーが心配してそうだしな。


目が覚めたらスノーが目の前にいる。

うん眼福だ。これがエリクサーか…天使だ。いや、女神だ!!


「スノー、ありがと!!」

「な、何もしてないですよ!」

「心配してくれたのが嬉しいんだよ。」

「そうなんですか。」


「よし、もう一度だっ!ステータスウィンドウ!!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ステータス

名前:アウト(ラフィ) Lv18(+99)→99

年齢:16

種族:人間

職業:流浪の料理人

性別:男

体力:82500 A

筋力:3002 S

俊敏:2508 S

魔力:180 C

幸運:25 C


スキル (全て隠す)

鑑定(MAX)、調理(MAX)、プチヒール(LV8)、支援小(LV4)、解体(MAX)、ヒール(MAX)、ウォーターサイクロン(LV6)、ファイアーエリア(LV5)、錬金術(MAX)、自己強化・超(MAX)、最後の一線・水(MAX)、神一文字(MAX)、神居見切り(MAX)、覆居合断ち(LV3)


称号

最高の料理研究家 S (隠す)

(料理武器、スキルのダメージ・効果を80%上昇)


装備:

頭 …なし

胴体…初級冒険者の装備(効果:特になし)

宝石…なし

武器…鉄の剣(特になし)

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思ったよりもやばい、強いに越したことはないがまさか一番育てていたキャラクターになるとは。

2番目なら、サブデータなら、まだ強い一般人程度なんだが、ラフィはゲームランキングで最高3位まで行ったことのあるキャラクターだぞ!!

まあ、スノーを守れる力を得たということで一回レベルに関しては忘れるか。

こんなものを持ってる一般人なんて碌なことにならない。ビバスローライフ!!


とりあえず重要なのはスノーのことだ。

18歳なら合法だし、なんか、記憶を思い出すと結婚の件をうやむやにされたのが許せないな。

もう一回告白するか。


「スノー、よく聞いてくれ。」

「は、はい」

「俺は君のことが誰よりも、何よりも好きだ。だから、結婚を前提に付き合ってくれ、ついでにパーティを組もう。」

「え…あぅ」

「…気絶しちゃった。こんなアニメみたいなことあるんだ。」

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