突然に推しが追放されてたから俺が貰っちゃても良いですよね 〜推しが聖女と分かったからって返す気はありません〜

てぁてぁ猫(=ↀωↀ=)

第1話 なんか推し様が追放されてる

「お前を黒銀ギルドから追放する!!」


いきなりだった。

食器の音と、その怒号が横で響いている中、夢が覚めたように視界が鮮明になる。

いい匂いだ。味付けはシンプルな鶏肉かな?

なによりも、目の前にいる、いてしまう、現実にいないはずのゲームの存在が鮮明な視界を窮屈に変えた。


「…な、なんでですか」


その小さく可愛らしい灰色の髪の少女がオドオドと怯えながら答えた。


「お前は俺たち「黒銀」にふさわしい強さもなく、雑用も出来ない。何よりも、ブスなんだよ!!」

「あたしらの邪魔なんだよ。」

「…!!」


大男の恫喝に少女は怯えながら泣きそうな顔をする。


「悲しそうな顔も可愛いなぁ。」

「あ゛?ついに、とち狂ったかお前。」


どうやら声に出ていたようだ、知らない大男に聞かれてしまった。反省しよう。

にしてもだが、いつ夢が覚めるのだろうか。まさか、これが異世界転生というやつだろうか。まあ、夢か、目を閉じれば夢も覚めるだろう。


そう思いながら目を閉じて数秒、誰かが走って行った。

十中八九、少女だろう。足音も可愛いな…


…しかし目は覚めなかった。


うん、これは異世界転移だろう。こういうweb小説みたいなことは高校生とかが相場ではないのだろうか?なんで社会人5年目の俺がなったんだろうか。

よし!落ち着くために、何があったか思い出そう。





俺の名前は小谷 龍介(こたに りゅうすけ)、享年29歳なはずの会社員だ。

ちなみに、もうすぐ魔法使いになれた男である。言い訳ではないが、高校生まで男子校で勉強を頑張ってた優等生であった。成績はあまり良くなかったけどな。大学にも行ったが、勿論、男子校育ちが女子との話し掛け方なんか分からずに恋人どころか女友達なんかできなかった。その後に入った会社はブラックすぎて時間が作れず…まあそういうことだ。おかげで、お金はいっぱいあったけどな。

何より、Cross World Onlineというゲームをやりこんでいたのも悪いと思うが。作り込みが凄すぎるのが悪いよな…


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Cross World Online

自由な異世界の中で好きな職業を選び自由にスキルを選び育成をするオンラインRPG。

リリース開始から10年も続く長寿なゲームだ。

今でもイベントやストーリーが追加されていて多くのユーザーたちに愛されている。

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それで、たまたま家に帰れるほどに仕事が片付いたから、久しぶりにゲームができるということでお酒とおつまみをコンビニで買って帰る折に…多分、トラックに轢かれて死んだ。

それから、目をあけたら、あら不思議。信じられないほど、可愛い(幼い)推しが目の前にいるではないか!!


ん?

っん!?

まって、推し様なんか走り去ったよね、これ推し様のゲーム内のスチル(※場面)ではないか?

早く追いかけないとヤバくないか!?しかも、推し様は今、追放されたから所属なしのフリーであるよな。やばっパーティーに勧誘しよう。


「あぁっと、黒銀の皆様!!俺も抜けますっ!」

「あ゛っ!?本当に気でも狂ったか?」


リーダーっぽい大男はついに頭がおかしくなったとこっちを目を見開きながら見ている。


なんだよっ推しを愛でたいのは全人類共通だろ。

にしても推しと一緒に冒険出来る!!異世界生活初日からハッピーだ!


…しかし、俺の足はやすぎないか?時速60キロくらい出てるぞ。ほぼ車と同速だぞ。

まさか、これが異世界チートか!?異世界ならスキルとかで無敵がよかったな、無量空◯みたいになぁ。ボク、最強だからって言ってみたかったな。


あぁ、推し様、振り向いて倒れたな。

そうだよな、時速60キロでこっちに向かってくる人間見たらその反応が正しいよな。


はあ、パーティーに誘うのってめちゃくちゃ恥ずかしいな。

ふぅ、勢いで行こう。心の内を曝け出して、


「スノーちゃん、結婚しよう!!」

「…ぇ?は、ひぇ?」




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[Cross World Online]

自由度の高さを売りにするオンラインRPG

魔王などはいないが勇者や魔王になることもできる。

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