幸せな夢

『とても気分がいい。彼の手を握っているうちに眠ってしまったが、その間、いい夢をみた。彼に会えた。会えた! いや、毎日病院で会ってるし、夢の中の彼は私を覚えていないようだったけど、でも嬉しかった。彼の声が聞けた。早く起きて、こっちにきてと言ったら、起きてるよ、お前が望むならどこにでも行くと言ってくれた。彼ももうすぐ、目を覚ますかもしれない。彼が目を覚ますかもしれない。彼に会えるかもしれない、また彼の声が聞けるかもしれない!

嬉しい 嬉しい 嬉しい

早く会いたい 早く安心したい

おはよう』

 おはよう──書いてみると、どうしようもなく嬉しくなる。早く、おはようっていいたい。いや、実際に彼が目を覚ましたらきっと、そんなふざけたことをいう余裕なんてないんだろうけど。

 ああ、早く明日にならないかな。また彼の手を握って眠ってしまおう。そして、彼をこちら側に連れ戻そう。恐ろしい悪魔が誘う世界から、幸せなこの世界へ!



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