第2話
「すいません、お風呂先いただきました。」
「え、ああ。はい。」
引っ越した最初の一回目の風呂は彼女であった。改めて脱いだ彼女の服を眺めると、明らかな年期と損傷が見れる。洗ったとて、着るには厳しいだろう。
「え?」
そして風呂からあがった彼女は髪をとく時に変な物をみた。それは彼女の耳が、獣の様な長さで上に伸びていたのだ。先までは髪で覆われて見えなかった。
「あ。」
しかし彼女はそう一言言って耳をさわると、普通の人の耳になっていた。これは、疲れによる見間違いなのだろうか。
「それじゃあ、私も風呂に入ります。服は今回、私のそれでお願いします。」
「はい。」
流石に一人で住むつもりの場所でいきなり女性を招く予定は全くなかった。仕方なく私の服を渡したが、彼女の体躯は女性としても小さめだ。明らかにうまく着れていない。
そんな事を思いながら扉を開けると、トイレだった。そう言えば引っ越したばかりで間取りがよく解っていない。
「お風呂はあちらですよ。」
「え、ああ。ありがとうございます。」
先に入ったからだろう、そう思う事で私よりもこの家に詳しい彼女に気づく事は出来なかった。
そして風呂の後に買ってある食事を二人で食べる。彼女の分は明日の朝食だったため
、早速買い出しが必要となってしまった。
とはいえ明日の朝には彼女を町の方へ送る、警察に届けるつもりでもある。ちょうどいいかと思いながらも山の静けさに不慣れな恐怖を感じながら、向かいあった食事の時にこちらを見て微笑む彼女を見るだけでなぜか心地よくなってしまった。
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