第2話 似た者同士

 縄文人であろう人たちが手漕ぎボートを近くの木にくくり留め、魚が捕らえられた網を持ち帰ろうとすると、一行の一人と目が合い


「どうも、、こんにちは」


郷に入れば郷に従えと言うべきか

俺は縄文人に軽い一礼をした


礼を終え、顔を上げると

縄文人一行は俺の礼を綺麗に無視し、森林にへと姿を消した。


少し追いかけるかという手段があったが

この歴史が苦手な俺でさえ

縄文人と現代人ではまともな意思疎通は図れない事は知っている。


太陽が徐々に西へ沈んでいく事が、俺の焦りを感じさせた。


泳いでる最中に縄文時代らしき時代に飛ばされたならもう一度ここで泳げば元に戻れるのでは


いや、待てよ


実はもう既に溺れていてここはもう天国

目の前の海だと思っていたのは三途の川なのか…


一か八かで泳ぐ賭けに出ようとした瞬間


あからさまに人工物らしきものが

海へ浮かんでいた。


目を必死に擦り、凝らし眺めていると

それは浮き輪らしきもので、大きな亀の浮き輪だ

緑の甲羅部分に人がいる。


確実に縄文人ではない。

俺は嬉しくなり、浮き輪に向け挨拶をした。


「お〜〜〜い、聞こえるか〜〜」


声に気づいたのか

浮き輪の上にいる男は、優雅に日光中であり

それを邪魔されたためか

サングラスを外し怪訝そうな顔で

俺を見つめる。


「え、なんであんた一人なの?ここどこ?」


男は怪訝そうな表情を続けたままそう尋ねた


「こっちまで来て、ちゃんと話さないと咀嚼出来ないから」


男は機嫌悪そうに浮き輪から降り、慣れない泳ぎを続けている、沖についた時には息が上がらない様子であった。



「あの、なんで誰もいないの、、てかあなたは?」


「俺の名前は相馬、単刀直入に言うね、ここは恐らくなんだけど縄文時代なんだ」


「はぁ・・?」


怪訝そうな顔から、嫌な者をみるような顔に変わる、俺は証拠の証しである、縄文人が乗っていた

手漕ぎボートを指差した。


「丸木舟だ、初めて見た信じてもいいのかな、」


「あれそう言うんだ、君詳しいね」


「当然だろ」


男はそう言うと、俺に右腕を見せてきた。

そこには黒い斑点のようなものがあった、それはシミのようなものだった。


「なにこれ?」


「え、本当に知らないんだ

これはマイクロチップだよ、たくさんの知識が入っているんだ歴史とか色々ね」


「君ってまさか、、未来人?

えーっと俺は2026年から来たんだ」


「おじいちゃんが生まれた年だったっけな?」


唖然だ…

ビーチへ車に乗って向かう際に見かげた、

ベビーカーにいた赤子がおじいちゃんになって

その孫にあたる世代が目の前にいる。

その時代になると俺は先人にあたるのだろうか。


「そんな先なの、ごめんだけど君、いやお前名前は?」


「急に上から目線じゃん、タケルだよ、よろしく相馬」


「呼び捨て、まぁええか」


「あっ、あれって」


タケルが見つめた先には

先ほど無視した縄文人が木を横に立っていた。


今後こそと改まり

もう一度礼をすると、縄文人は大量の木の実が入った籠を置いて帰っていった。


「ホンマに、縄文時代やんあんなんCGでしか見たことない」


俺はタケルと籠を取りに行き、一目散に俺が

一つ小さな木の実を拾い口のなかに入れた。


「味なぁ、なんだこれ栗みたいな感じだな」


「栗には味があるよ」


タケルはそう言い、俺に続き木の実を食べる。


「あ〜これ、どんぐりじゃん」


「どんぐり?!」


確か動画でアクを抜いたら食べれると聞いたが

わざわざ食べたとことが無いため、初めての味に驚いた。



その後も様々な種類の木の実が俺達を楽しませた。





西日が姿を現した。

海から写る太陽は悲壮感を現し、圧倒的な絶望を感じさせるものだった。

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