第5夜 証言③ 唐瘡
これは大っぴらに言えぬことかもしれませぬ……
かの妖怪、物の怪の正体は
「懐妊した遊女」
でございました。
おお、語るのも恐ろしい光景を、吾輩はこの目にしたのです。
昨今、夜鷹や
真宗移民の見返りとして、地方からの働き手を交換したりということもございましょうが、今や江戸は異国からの要人を接待することもあれば、また様々な外国からの物資を交換することも盛んでございます。
その流れは決して、目に見えた「モノ」だけではございません。
目に見えぬ代表的なモノ…それは『
此度、この呪いに罹れば鼻は落ち、手足の指も落ちましょう。気がふれ、そして死に至る恐ろしき呪い……
外国から由来したこの唐瘡に呪われ、しかしながら遊女として客を取り続け子を孕み、野垂れ死んだ女の末路、それがこの物の怪の化けの皮であります。
木々の枝に垂れ下がった形式のモノ、それは恐らく野良犬といった畜生どもが食べ漁ったその残骸。
人知れず、子を産みながらも死んでいった悲しくも「縁」無きその魂達へ、どうかみなさまの祈りの一つでも挙げてやってくさられ……南無阿弥陀仏……
了
【赤手児の怪】 カクコン11お題フェス短編 「手」 白銀比(シルヴァ・レイシオン) @silvaration
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