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 そうは思っても、忙殺される連日で一月に購入したホヤの葉っぱがしおれてきた。単に水をやり忘れているだけだが、あげる余力がない。その暇さえあれば眠りたい。以前いた職場の時と比べれば、今の方がまだ眠れている。しかし眠気がやたらひどい。


 起きてカーテンを開いたら、大量の小粒の雨がコンクリートを叩いた。いつの間にか、暦はとうに六月になっていた。今日は休日。明日も何かに追われる。忙しい。


 いつまで、こんな状況が続くのか。


 間違いの元はどこだ? どこを正せば、元の通りになるのか。


「生まれて来たこと、その自体が、そもそも間違いだったんじゃないか?」


 と、自分の内部から不思議な声が響いた。真幸のもののようで、違う。しかし、やはり真幸のものだろう。


 真幸は笑った。その仮説が、妙にしっくり行って、変に心地よくて挙句、けたたましく笑いに成り変わった。心からおかしかった。


 憎んだり恨んだりしたくないのに、胸の奥から憎悪が噴きあがってしまう。その大元はどこだったのかと真幸は、か細い呼吸を繰り返した。


 視界が歪んでいくような感覚に陥った。もしも、それを遡れば。そしたら、……祖母も含まれてしまう。


 真幸は、カーテンを閉じた。手が震えた。


 真幸は身震いをし、ベッドに戻って横たわった。先週の金曜日は切り抜けられたが、ギリギリだ。明らかに自分の精神状況はおかしい。このまま行くと、もっとやばい。


 プツンと切れそうになった。慌てて真幸は顔を両手で触った。何かが危ない。その危険さを説明できない。


 祖母からメールが来た。休日に必ずやって来る祖母からの着信は無視していた。声でわかってしまうかもしれないから。


 ショートメールを開いた。父の骨の話だ。


『大節さんに渡した骨は今頃どうしているのかと思っています。そろそろ家に置いておくのも、じいさんがゆるさないだろうし。いっそ大節さんに日高さんの骨をすべて渡そうと思っているのですが』


 間を置かず、真幸は祖母にメールを送った。すぐに祖母から返信が来た。話がまとまって、大節に連絡した。


 真幸は考えてからネットで検索をかけて、大節の撮った写真を一枚、アップロードした。祖母に写真のアドレスを送った。そのアドレスの開き方も添えて。


 「綺麗なチューリップね」と返って来た。

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